斎藤美奈子さんの文庫巻末解説
2007年11月26日(月) 7:58:50
昨日、がんばって文庫の巻末解説を脱稿した。
まだ完全オーケーは来てないけど、マネージャーも「おもしろい!」と言ってくれたし、一応峠は越えた模様。うぅ。マジできつい峠だった。でも峠の上からの景色はすがすがしい。
「文庫の巻末解説って、もしかして○○さんのですか?」と、いろいろ推理したメールをいただいたが全部ハズレです。別に隠しても仕方ないからお教えするけど、斎藤美奈子さんのです。「文学的商品学」文春文庫。本が好きな人なら「えええええっ!」と驚愕してくれると思う。ボクが悩みまくったわけもわかってくださると思う。そう、あの、世に「毒舌文芸評論家」と怖れられている切れ者、斎藤美奈子さんの「解説」をするという神をも恐れぬ仕事を、魔が差して受けてしまったのである。
ちょうどオファーがあったころは10月初旬。今度1月に出す本の執筆最高潮のころで、なんとなく「あ、400字詰め原稿用紙で10枚程度ですか、それなら書けるかも」と、分量で判断してしまった。10万字という果てしないものを書いているときって、勢いもあってかそういう錯覚が起きやすいのかも。もちろん「斎藤美奈子かぁ…。大好きだけど、解説は無理っ」と心の中では思ったのだが、オファーをいただいたマネージャーとお会いして話しているうちに「でも4000字程度なら3時間集中すればいいし、3時間ならなんとかなるかなぁ」とか、内容以前に物理的な方向になぜか心が行ってしまったのである。いま考えてもおかしな精神状態。順調にザザザと書ければ3時間だけど、悩んだら30時間かかってもおかしくない分量だ。
で、結果的にそのくらい時間をかけてしまったわけですね。
それにしても、なぜ受けた、自分。なぜわざわざこんな苦行に身を投じる。
たぶんいろんな方が恐れ多く思ってこの仕事をお断りした挙げ句、ボクにお鉢が回ってきたのだろう。題名が「文学的商品学」なので、広告を本業とするボクなら新たな切り口で書けるかもとマネージャーが思ってくれたのもあるかもしれない。でもなんつうか、ただひたすら恐れ多い。そのビビリから抜け出して書き始めるまでに一週間近くかかってしまった。
ちなみに「おもしろ本」を見てみると、過去に三冊だけ読んでいる。
今回、過去の作品を全部いただいて通読させてもらったけど、んー、彼女のナイフの切れ味にかなう解説は書けないと心底悟った(当たり前だ)。とにかく自分らしく自然体で、と、言い聞かせて、ここ1週間、しこしこ書いていたのだけど、書く内容は先週なんとなく決めたものの、最初の一行が出ず、ずっとモンモン。昨日一気に書けたから良かったものの、昨日ダメだったら蟻地獄から出られない予感があった。あぁ書けて良かった。
でも、今後はもっと身の丈にあった仕事を慎重に受けることにしようと思います。
