日記猿人

2007年8月 5日(日) 17:33:53

日記才人(ニッキサイトと読む。ボクには改名前の「日記猿人」の方が馴染み深いので以下そう書く)が7月第二週で閉鎖終了したことを後日書くと書いてからはや数週間。早いなぁ。タイミングを失ってしまったが、少しだけ書いてみる。

日記猿人とは、ブログもSNSももちろんなかった1996年頃出来たWeb日記のリンク集で、人気投票機能、人気ランキング機能、更新順ソート機能などがあり、まだ村社会だったネット界の一世を風靡したサイトである。
検索が発達してなかった(同年にようやくYahoo! Japanが出来た。Googleなんてもちろんなかった)当時、このリンク集は貴重で、読み物系サイトを探すときはこれと「Read Me」に頼りっきりだったのだ。

ボクの書き手としての日記猿人への登録は1000番台。不定期日記を始めてしばらくたってからだと思う。最終的には数十万となった登録者数からすると古参の部類ではあるが、二桁台三桁台の日記書きが大勢活躍していたからなぁ。
でも日記読者としてはもっと古い。前身である日記リンクスも読んでいたし、ばうわう氏の「UDO」も知っている。その後のいろんな騒動やその結果としての日記才人への改名、「たたかう伝言板」での泥仕合など、ROMとして追っていたりした。

それらの経験がネット・リテラシーをずいぶん高めてくれたし、いまネット上で起こっている炎上をはじめとした数々の現象もすべて既視感をもって見られるようになった。それはすべて「日記猿人でとっくに経験済み」だからである。

ブログという言葉が出来るずっと以前に、そういうことが日記猿人界では普通に起きていた。
だって日記猿人に集まっていた日記書きの日記&評論は限りなく今のブログに近いし、ボクが日記猿人アクティブだった1997年〜2000年くらいは日記数も1万以下でまさに「村社会」だったから、村八分や炎上なんかもあっという間。オフミ(オフライン・ミーティング)も頻繁に行われていたし、ネット上での恋愛や結婚、別れ、ネットを初めて経験するハイテンションからの非常識な行動、誹謗中傷による日記閉鎖〜自殺など、様々なことがすべて箱庭的に起こっていたのである。日記猿人の盛衰をきちんと分析するヒトがいれば、それは現在そして将来のネット社会の縮図になるのではないかと思われるくらい。

でもまぁそんなことはどうでもいい。ボクにとっては、いろんなお気に入りの日記があり、素晴らしい書き手がたくさんいたということが一番思い出深い。ネットがまだ村社会で、いまより影響範囲が限られた分、いまなら書けないような過激な論説も多かった。いまなら個人特定できちゃうようなリアルな情報も、みんな脇甘く書いていた。その分、実に面白かったな。

よく読んでいた日記の題名を思い出すままに書いてみよう。

「ちゃろん日記(仮)」「喜遊楽的生活」「MADE IN JAPAN!」「思うこと」「香子の日常」「今日の花ちゃん」「我茶日記」「思蜜日記」「後悔日誌」「ボージャック夫人(いまどきのはは)」「From Cassiopeia with Love」「ゼントウヨウヨ」「菜摘ひかるの風俗漂流日記」「チョコレート・ジャンキー」「テクニカルライター裏日記」「Stay(ぶらんこ)」「RAIN DROP」「過剰な人々」「三十路日記」「しんつま日記」「おまけ日記」「D-Point」「デーテーペーな1日」「とほほ日記」「いい加減な毎日」「じぶん更新日記」「ちはるの多次元尺度構成法」「WebColumn」「プチ日記」「スパイ日記」…

…まだまだあった気がするけど、思い出したままに。
まだ続いている日記もあるけど、どこかで何かを書いてるかなぁと遠い目になる日記も。意外とmixiで続けている日記もあると聞く。

とりあえず、長きに渡りボランティア的に運営されてきた管理人さんには本当にお疲れ様と言いたい。ありがとうございました。ジバランみたいな小さな組織でもあれだけ運営が大変だったのだから、日記猿人の運営の大変さは想像を絶する。

いろんな騒動はあったし様々なイヤなことも見聞きしたけど、素晴らしいことも多かった。ネットやサイトの良さを肌感覚でわからせてくれた日記猿人。あの頃いい体験をしたからこそ、イヤなことがあってもめげずにサイトを続けているんだと思う。イヤなこと<イイこと。続ける価値はある。たぶん。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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