オペラ「パレルモ・マッシモ劇場」日本公演
2007年7月 4日(水) 8:30:53
んー、なんか申し訳ないくらいたくさんのお見舞いメール、ありがとうございます。
他人のガキにどうしてこんな…と思っていたら、「他人の子とは思えない」と書いてくださる方が意外といらしてビックリ。どうも10年前の響子2歳の時の「さぬきうどんツアー」の頃から最近のさなメモまでずっと読んでくださってる方にとってはそうみたい(笑)。2歳から中1ですもんね…。椎名誠さんちの岳くんのその後が気になるようなものでしょうか。いずれにしてもありがとうございます。幸せものです。
おかげさまで響子は昨日からお粥を食べられるようになりました。でもまだホンの一口二口程度。少しずつ回復するといいなぁという感じ。早朝面会したときは元気そうだったけど、でも相変わらず病名はハッキリしない。一部で胃腸炎や大腸炎が流行っているらしいので、それかも。というか、その程度だといいけど。
さて、昨晩も観劇。
連日の観劇かよ、病気の娘に冷たい父親だなぁ、とか思われそうだけど、バレエとかオペラのチケットはお高いので、なかなか捨てる気になれないっす。手術も容体急変もないので、ちょっと後ろ髪引かれつつ。
観たのは「パレルモ・マッシモ劇場」の日本公演最終日。渋谷オーチャード・ホール。
イタリアはシチリア島にある名門オペラの初来日で、昨日の演目は「カヴァレリア・ルスティカーナ」と「道化師」。ヴェリズモ(真実主義)・オペラの傑作と言われる一幕物2本。ヴェリズモというだけあって、実際にあった事件を元にしている。「カヴァレリア・ルスティカーナ」に至っては、登場人物が実際に住んでいた家や決闘した畑なども残っているという。
ついでに言うと、この「カヴァレリア・ルスティカーナ」は映画「ゴッドファーザーPart lll」でドン・マイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)の娘メアリー(ソフィア・コッポラ)が糾弾に倒れるシーンで印象的に流れたもの(そう言われるとそうかも)。このマッシモ劇場の正面階段が舞台だったらしい。
とかいう蘊蓄はほとんどあとから知ったもの。
字幕も出るとのことだったので、あまり先入観を入れずに心を開いて観に行った。
で、予想を遙かに超えて良かったのでした。ちょっとビックリするくらい。舞台に駆け寄って握手したくなるくらい。
わりと疲労困憊してオーチャード・ホールに辿り着いたのだけど、疲れ果てて乾いていた心にざぶざぶと水が溜まっていく感じ。すっげー。やっぱり無理してでも一流には触れ続けるべきだなぁ。
まず、オケの演奏が実によい。序曲ですでに感動させられる。そして美しい舞台セットと照明、演出。遠くから響き渡るコーラス(歌の遠近の使い方が上手だった)。陶酔するような名曲の数々。主役たちの歌のド迫力。迫真の演技。群衆の一体感。どれをとっても素晴らしい。
最終日ということもあってか、カーテン・コールではオケ・メンバーも含めて全員が舞台に上がり(総勢数百人)、全員で「グラッチェ!」「ありがとう!」と声を合わせてくれたのだけど、この親しみやすさが南イタリアの真骨頂だなぁと思わせる。そう、二本とも悲劇だったのだが、どこか底流に諦観に似た明るさが漂っていたのは南イタリア・シチリア島のオペラ劇場だからこそ、なのだろう。
一応キャストを。
パレルモ・マッシモ劇場(TEATRO MASSIMO di Palermo)
指揮:マウリツィオ・アレーナ
演出:ロレンツォ・マリアーニ
装置・衣装:マウリツィオ・バロ
パレルモ・マッシモ劇場管弦楽団・合唱団・バレエ団
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」
サントゥッツァ:マリアーナ・ペンチェーヴァ
トゥリッドゥ:フラチェスコ・アニーレ
アルフィオ:アルベルト・マストロマリーノ
ルチア:マリア・ホセ・トゥルッル
歌劇「道化師」
ネッダ:スザンナ・ブランキーニ
カニオ:ピエロ・ジュリアッチ
トニオ:アルベルト・マストロマリーノ
シルヴィオ:ファビオ・プレヴィアーティ
「道化師」のカニオ役ピエロ・ジュリアッチと、ネッダ役スザンナ・ブランキーニのふたりが特に圧巻。カニオのアリア「衣装を付けろ」から劇中劇のふたりのやりとりまでの一連は凄まじかった。スザンナ・ブランキーニもスリムで可憐なのに劇場を震わすようなソプラノで良かったなぁ。
なんか、いわゆる大作オペラもいいけど、こういう小品の良さに目覚めてしまったかも。特にヴェリズモ・オペラって、どこかでリアリティがあって良い。「道化師」なんてそのリアルな話に劇中劇まで絡めてとても完成度の高い作品になっている。またヴェリズモ系が来たら観てみたい。
