花形満が主役?

2006年8月 9日(水) 9:22:11

「巨人の星」がリメイクされるそうですね。

なんと主役は花形満で、舞台は現代。タイトルは「新約『巨人の星』花形」。画は村上よしゆき。
ニュースによると「今回、花形を主役にした理由について、少年マガジンでは『今の中高生には、貧しさからはい上がる飛雄馬より、恵まれた環境にある花形のほうがリアリティがある』と話している」とのこと。花形を新庄みたいに描けばウケるのでは? リメイクならあわよくば中高年まで取れるのでは? みたいなノリの企画会議が想像される。

たしかに星家の貧乏長屋は今の中高生にはリアリティがないだろう。
でもそんなこと言ったら大河ドラマだって落語だってビートルズだってリアリティなどない。村上春樹が描く60年代70年代ですらすでにリアリティを失しているだろう。現代のリアリティをつけたからって共感されるとは限らないのだ。大事なのは「普遍」。あの星飛雄馬の根性物語には「普遍」があったから共感され、今でも生き残っているのである。リメイクするならあの「普遍」をもう一度しっかり描いた方が逆に共感を呼ぶと思う。

たとえば昭和初中期のリアリティだった源氏鶏太の作品を何人の人が覚えているか。
サラリーマン小説の第一人者にして大ベストセラー作家である。彼には時代的リアリティは存分にあったが、申し訳ないが「普遍」はなかった。だから今はほとんど読まれない。

いずれにせよ、軽いノリであの名作を弄ってほしくなかった。残念。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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