シュツットガルト歌劇場日本公演「魔笛」

2006年2月16日(木) 7:40:03

昨晩は渋谷オーチャードホールにてオペラ観劇。「シュツットガルト歌劇場」の来日公演。演目はモーツァルトの「魔笛」。

実はあまり前評判を知らずに行ったのだが、すげーのなんの。こんなに楽しんだオペラは(ビデオ鑑賞を含めて)生まれて初めてかも。
ある意味わかりにくい「魔笛」が現代風のアレンジでイキイキと生き返る。コンヴィチュニーの演出がぶっ飛んでいてとにかく面白い。

第一幕の冒頭などいきなりオーケストラボックスにタミーノが落っこち、そこで演技しはじめる(というか歌う)。そのうえ指揮者やオーケストラメンバーも演技に加わる。なんだこりゃと思っていたら、いきなりビデオ映写が始まって舞台上で侍女が夜の女王をライブ撮りし、それを使ったギャグまである。つか、侍女はOL風だし夜の女王はキッチンドランカーだ。すっかり引き込まれた。

美術も突飛。舞台上に漢字が使われたり、電光掲示板が使われたり、観客席があらわれて映画が舞台上で始まったり。エッチな場面もわりとストレート。パパゲーノのギャグライブまであり、観客に手拍子を強要したりもする。ハングルの演説まである(笑)。それをドイツ語で同時通訳(もちろん舞台袖に日本語字幕が出る)。
でも決して「前衛」ではなく、ストンと胸に落ちる演出とストーリー。枠は壊さず見た目をより過激に現代風にした「魔笛」。素晴らしい。
敢えて言えば音楽的な感動は少なく(演奏はとても良かったのだが構成的に)、一部もっさりしてスピード感も足りなかった。でも3時間全く飽きずに見せる演出のインパクトはそれらを上回る。

主なメンバーを備忘録として。
 音楽監督:ローター・ツァグロゼク(サイコー!)
 演出:ペーター・コンヴィチュニー
 美術衣装:ベルト・ノイマン
 パパゲーノ:ルドルフ・ローゼン
 ザラストロ:アッティラ・ユン
 タミーノ:ヨハン・ヴァイゲル
 夜の女王:コルネリア・ゲッツ
 パミーナ:アレクサンドラ・ラインプレヒト

元々モーツァルトの初演当時もこんな感じでモダン&過激だったのかもなぁ。彼の意図に近いのかも。きっと彼が観たら大喜びするだろう。ただただ楽しい、という根本は共通しているし。
冒頭からずっと意表をつく演出が続いたので、ラストのパパゲーノとパパゲーナのアリアはどういう演出なのかわくわくして待っていたが、これまた想像の上を行った。大笑い。楽しかったなぁ。

シュツットガルト歌劇場は過去五回も「年間最優秀歌劇場」に選ばれているという。さもありなん。オペラについての見方が少し変わった。というか、オペラに偏見持っている人はまず観るべき舞台かと。

舞台終了後、いっしょに行った伊藤章良さんと渋谷宇田川近辺をハシゴ。舞台の印象が強かったのでどんな店でも大丈夫と思ったが、宇田川周辺居酒屋はさすがにカジュアルすぎて少し余韻が壊れた(笑)。店員叫びすぎ。もう少し静かな店にすれば良かった。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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