「バレエ・カンパニー」と「華氏911」
2004年8月28日(土) 6:50:57
今週は仕事の間隙を縫ってアルトマンの「バレエ・カンパニー」とムーアの「華氏911」を観た。前者はもう少し人間模様が濃く描かれている期待があった分、もうひとつ。映像美もチャン・イーモウ的なものに慣れた目で見ると少し物足りない。ありのままの良さはあるのだが。
後者は客観的ドキュメンタリーというより主観的オピニオンに近い内容だが、やはり名作と呼べるだろう。記録映像の連続なのに2時間近くまったく飽きさせない。深刻にならず糾弾しすぎず、映像的トリック演出を多用して淡々と明るく描いていく手法はさすがなもの。音楽やSEの使い方も巧み。ただ、ムーアの主張をずっと追ってきた身からするとちょっと「生ぬるい感」も残る。もっとやれ!(笑)。また、アメリカ人ではないボクからすると、アメリカ兵の犠牲よりアフガンやイラクの犠牲に目がいってしまう部分もあり、アメリカ兵の犠牲に強く焦点をあてる構成には違和感を感じる。まぁアメリカ人がターゲットなので仕方ないのだけど。
でも、この映画から学ばないといけないことは、その内容よりも、こういう「メディアの使い方」なのだと思う。ドキュメンタリー映画という地味なメディアを派手なオピニオンの場に変え、自分の主張を広め、波風を起こし、結果として数千数万の命が救われる可能性を作った。彼の長年の努力のたまものではあるが、まずはそこが見事。ボクたちもメディアをもっとうまく使えば同じようにいくつかの命が救えるかもしれない。国や時代を変えられるかもしれない。そういう可能性を示唆してくれた。草の根だけで終わってはダメなのだ。
もちろんひたすら「Anyone but Bush」な気持ちに変わりはないが、一方で「ブッシュって愛嬌だけは抜群だな」とちょっと感じた。不人気になりきらない感じはわかる。ケリーには愛嬌も花もないなぁ…。おまけに目に狂気が宿ってる。ちょと怖い。
