またしてもNY出張(9)カーネギーホールでブロムシュテットのブラームス一番

2004年2月16日(月) 8:41:02

カーネギーは思ったより普通で、どこかアメリカの田舎のホール的雰囲気が漂っている。
素朴なのだ。ボリショイ劇場やパリ・オペラ座的重厚さと比べるとアレレなのだが、これはこれで微笑ましくて親密な感じ。なにより幾多の名指揮者やオケ、ジャズやロックの名演と空気感を共有できたのがうれしい。そうか、ここがカーネギーなのだな。

一番高い席(それでも$110。日本では考えられないくらい安い)だったので2階のボックス席。雰囲気よし。客層よし。天井が高いので音が少し上に行ってしまうが気にするほどではない。

コンセントヘボウの演奏は優しく柔らかく丸い。ここまで柔らかいジュピターを聴いたのは初めてかも。
うわーと思っていたら、編成を増やした次のブラームス第一番がすごかった。ジュピターが前座に思える出来。激している心の奥に常に微笑みをたたえているような音の表情がすごい。ブラームスがとても良いヤツに思えてくる。重厚なのにどこか優しい。弦の響きが滑らかで絹のようなのも理由かもしれないが、こんなに優しい気持ちになれるブラームスは初めてだ。聴き慣れたミンシュ版とは明らかに別物。

ブロムシュテットの指揮は真面目で上品。人柄の良さが指揮に出ている。この優しさ・柔らかさは彼の特質なのかオケの特質なのか、はたまたホールの特性なのかわからないが、世界に対して優しい気持ちになれるような演奏をありがとう。曲の流れとともにずいぶん長い内面的旅をしたような充実感である。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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