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横浜から車で喰いに行っちまいました

行った年月

1998年8月
どこから? 横浜から
回った方法 自家用車
行った店

山下(善通寺)、長田、小縣家、山越、田村、山下(坂出)、蒲生、中野うどん学校、山内、なかむら、谷川、彦江、おか泉

今回のベスト3  
穴場店など  
最新情報など  

 


横浜から車で喰いに行っちまいました。

hot writing by 安師範


「さぬきへ行けばうどん観が変わります!」
全ては本書の著者、さとなおさんのこの言葉がきっかけでありました。

なにを隠そう、私の妻は『先天性白麺渇望症候群』という、ベン・ケイシーやブラック・ジャック、果ては浪越徳次郎先生の技術をもってしても治癒できないと言われる難病に冒されておりまして。ええ、それはもう週に5回はうどんか素麺を食べないと発作が起こったりするってぇくらいの重症なんであります。
そんなわけで妻には「香川へうどんを食べに行きたい」と太古の昔から言われ続けていたのです。
しかし、かつて「うどんなんてどこで喰ったって大した違いがあろうはずも無い」とタカをくくっていた私は、「貴殿には『加ト吉の冷凍うどん』っつー強い味方があるではないか。庶民がそのような分不相応な夢を見るでない」と、妻の要求に長いこと応えずに来たわけです。
それに、寿司とか鍋とか、ある程度お値段が張ってご当地で食べるアリガタミのありそうなものならともかく、たかがうどん、そんな『地の果て』さぬきクンダリ(当地の方ごめんなさい)まで行って喰うもんか! と思っていたのでありました。
ところが、です。
さとなおさんのホームページにさぬきうどん大絶賛の記事が書かれ、そのホームページの愛読者だった私の気持ちは一気にグラつき始めました。
「もしかして、私は『真のうどん』ってのを知らないんだろうか?」
そして、ひょんなことからさとなおさんとお会いする機会があり、その時言われた言葉が、「さぬきへ行けばうどん観が変わります!」だったのです。
当然「『うどん観』ってナニ?」です。
変わるも何もそんなもんハナっから持っとらんです。とはいえ、強烈な違和感を心に抱きながらも、キリストのような風貌のさとなおさんから言い放たれたその言葉は、私の心に深くつき刺さり、ついには私にこう思わしめたのでした。
「これはさぬきまで行ってみねばならん」

計画は酔狂を極めました。
まず交通手段。『うどん屋めぐりに自家用車は必須』ってことなので、我が家のスーパーカー(『スーパーマーケットへの買い出しにしか使われない車』の意)の老体に鞭打って横浜から香川まで全行程高速道路利用。一気に四国まで行くのは車の能力的にも運転者の能力的にも命の保証が無いということで、行き/帰りとも途中大阪で宿泊。結局、現地2泊、大阪2泊の4泊5日、交通費と宿泊費のトータルで12万円もかかることになってしまいました。
それだけの大金を投じて、『一杯100円』とかのうどんを食べに行くわけでありまして、まさに大酔狂なアッパレ計画でございます。(しかしコレ、明らかな選択ミス。『飛行機+レンタカー』の方が安いしずっと楽)。

肝心の『うどん屋めぐり』については、さとなおさんから
「午前中に製麺所、午後に一般店が鉄則」
「午前中5軒くらいは、距離的にも胃袋的にも軽い」
等々の御指導を受け、旅行2日目の午後から4日目の午前中にかけて全12軒食べ、さらに「中野うどん学校」でうどん打ちも習うという、まさに『麺密なる計画』で臨みました。
そして、桜の花もほころび始める春3月下旬、いざ讃岐の地へ出陣!と相成ったわけです。

記念すべき1軒目は、さとなおさんをして『脳味噌直撃さぬきうどん』と言わしめる一般店の名店、善通寺の「山下」。店構えとしてはなんのことはない国道沿いのうどん屋なんですけど・・・
いざ口に含んでみました。

ツルツル、プリプリ、シコシコ、ウニィー、ごっくん。
うぉぉ!うまいぞぉ〜!!


「あぁ、ハルバル来て良かった(涙)」と思わせる素晴らしさ。
私の『うどん麺』に対する理想像、それの延長線方向はるか向こう側に位置する麺。
心の底から湧き上がって来る言葉は
「さとなおさんありがとう。私はあなたのその風貌のウサン臭さから、ちょっと信用してない部分もありました。それを今ここに懺悔したい気持ちでいっぱいです。」

1軒目の感動でうどん菌に感染した私たちは、まさに獲物を狙うヒョウのような貪欲さでうどん屋を巡りました。
「長田」「小縣家」「山越」「田村」「山下(坂出)」「蒲生」
「中野うどん学校」「山内」「中村」「谷川」「彦江」「おか泉」
自分に合う味とそうでない味はあるものの、それぞれに特徴のあるうどんの数々です。
食べ方もいろいろ。ダシをかけたり醤油をかけたり、温かかったり冷たかったり。ここさぬきの地は、まさに『うどんにおける技のデパート、老若男女皆さん歓迎、日本一いや世界一のうどんパラダイス!』だったのです。

この旅行をするまでの私は、『うどん麺はコシの強いのがうまい』と思っておりました。その考え、もちろん間違いではないんだけど、評価軸としては一次元、あまりに単純過ぎたことを痛感させられました。うどんの麺の美味しさ、それは『コシ』や『粘り』や『やさしさ』や、その他言葉に出来ないいろんな要素が合わさって生まれるものであることを、舌・歯・歯茎・喉・食道から胃を伝って最後は脳味噌まで、みっちりと打ち込まれてしまったのであります。

『うどん観』、確かに変わりました。どう変わったか言葉にするのは難しいですが、いまでは私たちは自宅でうどんを打つようになった、ということでご理解頂けますでしょうか。

これをお読みの皆様の中にも「本当にそんなに美味しいのか? どうも『さとなお』という著者の言うことはウサン臭くて信用ならん」とお思いの方がおられるものと思います。

そんな貴方へ。
「だまされたと思って、讃岐へ行って食べてみて下さい。きっと貴方も『うどん観が変わります』から」

 

※この原稿は単行本「うまひゃひゃさぬきうどん」に載せられた寄稿を転載したものです。


※著作権は投稿者に、編集権はさとなおにあります。
  転載などは投稿者およびさとなおの許可を得て下さい。

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