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さぬきうどん喰いてぇ病に冒されて

行った年月

1998年5月
どこから? 神戸から
回った方法 自家用車
行った店

宮武、山越、なかむら、小縣家、谷川米穀店、山内、近藤、彦江、讃岐の里、おか泉、たおか、中北、木村、穴吹、川島ジャンボ、はせ川

今回のベスト3  
穴場店など  
最新情報など  

 


さぬきうどん喰いてぇ病に冒されて

hot writing by 北沢今日子

mail:非公開
site:非公開

う、うそやろ、おい。あたし何やってんねんやろ。
そんなことを思いながら山陽自動車をひた走ったのは6月初旬のことであった。

思い返せば平成8年の秋に、私がパソコンなんぞを購入した時からこの暴挙は「運命」として定められていたのかもしれない。
「ウインドウズ95」とは、大ヒットした窓が落ちてくるテトリス系のゲームだろうくらいの知識(それ、めっちゃ間違った知識やん)しかなかった私がワケもわからず何となくオシャレ〜と思ってワープロ使う気軽さでパソコンを買ったのだ。
家に持ち帰った直後に買ったことを後悔してしまった(つまり使い方が全然わからなかったのである)。しかしバカ高い金を払ったからには何とか使いこなさなければならん。ああ、あの時サッサと諦めてバッタ屋にでも売ってしまっていれば、私はこの原稿を書いてはいなかったのだろうな。そう思うと運命の女神の存在を否定することはできません(そんなタイソウなもんかい)。
そしてマニュアル読みながらこの不思議なオモチャと格闘していたら何時の間にやらインターネットという世界に入り込んでしまったのだった。それからというもの、未知の世界を求めて電源は毎日入りっぱなしざますよ。さとなお氏のこの紀行文はそんな世界にどっぷり浸かった私が導かれるように出会った個人ホームページだったのだ。

初めてさとなお氏の「さぬきうどんをCHAIN EATING!」を読んだときの私のちっちゃなちっちゃな胸(ほっとけ)の内を吐露いたしますとですね、
「あははははは。この話面白いわぁ。早く続きが読みてーよぉ」
「でもまあ、うどん食いに行くため『だけ』にワザワザ香川県まで行くなんて、変わってるち ゅうか、凝り性ちゅうか、ハッキリ言ってアホちゃうか。ぬはははははは(完全に嘲笑して ます)」
「ふうん。そんなに美味いもんなんかねぇ。たかが『うどん』じゃん。この人ちょっと大袈  裟なんじゃないのぉ?」
なんつー失礼な事を思っておったのであります。いやーん。ごめんちゃい、さとなおさん。
しかし、読み進めていくに従いどんどんハマッてしまい、気がついたら「恐るべきさぬきうどん」全3巻を電話注文し、何時の間にか香川県に向けて旅立っているではないか! しかもさとなお氏が通り掛かりに見つけた変な名前のラブホテル「ヨーロ・レイ・ヒー」まで宿泊予約してやんの。(わたしゃこれまで何度かラブホに宿泊したことはあるが、わざわざ電話予約したのは初めてである)
この災難の原因は(災難なんかい!)私がついウッカリ主人にさとなお氏の酔狂なうどん巡りの話をしてしまったことだ。 ホントは「世の中にはアホみたいな事する人もいるもんだねぇ。ぎゃはは」と笑い話にしてハイ終わり!にしまうつもりだったのに、私の話を聞いた時の主人の目の輝きが尋常ではなかったのだ。

や、やべ。こいつ明日にでもうどん食いに行きたいって言いそうやん。

そう思ったときは既に遅かった。予想は的中し、その日からもう毎日毎日「ワシもうどん食いに行きたい!」とウルサイのなんのって。まあ、私も『恐るべき』を読んでからというもの、生唾ゴックンで『さぬきうどん食いてぇ病・初期症状』にかかっていたから、そのうち行ってもいいとは思っていたが、主人の方は私よりも進行が早かったらしく、アッという間に『同病・末期症状』に陥っていたようである。いやあ、恐ろしい伝染病である(まだ一部でしか認知されていない病気らしい)。
ある日病魔に侵された主人は手がつけられないくらいに駄々をこねだし、とうとう10年以上も前に、単に本棚がスカスカでカッコ悪いという理由だけで集めた全国の地図の中から香川県マップを取り出し、『恐るべき』を共に携えて何の計画もないまま、ただ「うどんを食べる」目的のみに旅立ったのであった。
で、その時に立ち寄った店は「山越」「中村」など計5軒。いずれもさとなお氏絶賛の店ばかりを狙った。ホンマにそれぞれ凄い店でありまして、「これのドコがうどん屋やねーん!」な店から、「うおー!さすがに有名な店だ。立派な造りじゃ」などなど個性溢れる外観の店ばっかり。もうソコに辿りつくまでが宝探しみたいで楽しいし、見つけてからも信じられないような店構えにひっくり返りそうになったり、店内に入ってからは段取りが分からずにオロオロしたりとカルチャーショックの連続で実に面白いのだ。
数々ショックはあるけれど、やっぱりクライマックスは何と言っても麺を一口食べたときである。

まず最初に行った「山越」。
『恐るべき』もさとなお氏もやたらに誉めちぎっていた店なだけに期待は大きい。しかし過度な期待は大抵の場合裏切られるものである。フッ。これで激マズだったら、さとなお氏も単なる大ボラ吹きのダンナで終わるな。あばよ、さっちぃ(勝手にヘンなあだ名つけんなよ。野村夫人が出てきたらどうする)。
と思っていたのだがねぇ、こいつが私の想像をはるかに超えたウマさだった。
ぴかぴかのツヤ、簡単には噛み切らせてくれないコシ、なめらかな舌ざわり、しなやかな動きのある麺。まさしく「このうどん、い、い、生きてるぅ!」と実感する。チクショー、うめーじゃねーか、さっちぃのダンナァァァァ、おろろ〜ん(嬉し泣き)。大変な事になりそう。とほほ(嬉しいんとちゃうんかい)
一口食べて私は悟りました。香川上陸は今回だけに終わらないであろうという事をね。
それだけウマかったのである。確実に「ハマる予感」がした。松田聖子がナントカ言う歯科医と出会ったときを上回るほどの「ビビビ」が来たのだ。

「うどん」と名はついてはいるものの、あれは我々が普段口にしている「うどん」とは似ても似つかない、いや、似てるけど似つかない(どないやねん)。つまり見た目は白くて長いお馴染みの姿ではあるが、一口食べたら驚天動地!
各店によって個性があり、麺の容姿も色も太さもクセも様々であるが、いずれも躍動感溢れる動きと「うふん。生半可な気持ちじゃアタシは食べられないわよ〜ん♪ルッパ〜ン♪」なんつー峰不二子みたいな挑発的な歯ごたえのある女、じゃない、麺なのだよ!特に「山越」はベッピンで滑らかで激ウマやったなぁ〜。ああ、あの白い肌が忘れられない(オヤヂ的回想モードに突入)。

どうだ君たち。男なら峰不二子が好きだろう。いや、隠してもイカン。一度は不二子ちゃんをカミカミはぐはぐしたいと思ったことはあるはずだ。ならば行けーい!峰不二子は香川にあ〜り!白くてしなやかな裸体を思う存分むしゃぶるが良い!(ちょっち鹿賀丈入ってます)。
「あら、私は女だし峰不二子なんてキライだわ」などとオッシャルご婦人方。ご安心なされい。峰不二子と思うと癪に触るが、レオナルド・ディカプリオだと思って食べたら、こりがもうアータたまりませんのことよ。あの口中で暴れまくる麺といったら、まさしくレオの滑らかで激しいくちづけのよう(アンタ、レオとキスしたことあるんかい!)。一口食べたら体中を電流が走るような衝撃に包まれ、「もっと、もっと」とセガミまくること請け合いですわ。なぬ? レオは嫌いとな? だったら反町! え? そりもダメ? じゃあ金城武!
それもキライなのかい。困ったなぁ。えーい、ウルサイ!つべこべ言うない!相手はパタリロでも寅さんでも何でもええから、女ならめくるめく快感に溺れてみんかい。
まあ、なんだかスッカリ本題からハズれていってる感がございますが、何が言いたいかと申しますと「さぬきうどん」は決してアナタの期待を裏切りません、ちゅうことですわい。
私は元々うどんは好きだから大阪でも『本場さぬきうどん』と掲げた店には何度か行ったことがあり、確かにその時は「うまーい。やっぱり大阪は食い道楽の街やね。カネさえ払えばどんな美味しいモノも食べられる街だ」と思っていたがまったく違っていた。大阪のうどんは結局「大阪のうどん」でしかない。ウマいのは認めるが本場のさぬきうどんと比べれば悪いけど「イミテーション」の烙印を押すしかないわ。

とにかく機会があれば、いや、なければ何としてでも機会を作れ。(命令形かい)
きっとここに紹介されている店を3つほど回った頃には「ああ、さとなお様、今日子さまゴメンちゃい。私が無知でございました」となんやわからんけど我々に懺悔するであろうな。オーホホホホホ(高飛車〜)。
まあ、これを飽きずに最後まで読んじゃったのなら、もう既に『さぬきうどん喰いてぇ病』に感染しております。観念して病魔に操られるままに香川をさ迷ってごらんなさい。きっと素晴らしい世界が待っていますよ。
は?アタクシですか?香川に行ってから益々病状は進行し、6月中に2度も行きました。主人は3度も上陸しております。毎月1回は行くつもりだったのでありますが、どうやら月1どころか10日に1度は旅に出るようになりそうです。


ココで私がこれまでに行った店をズラズラズラリと並べてみまひょ。

琴平の宮武、山越、中村、善通寺の山下、小縣家、谷川米穀店、山内、近藤、彦江、讃岐の里、おか泉、たおか、中北、木村、穴吹、川島ジャンボ、はせ川。

この中にはこの本には掲載されていない店も入ってます。したがって中には「イマイチ」な店も紛れ込んでおります。だはは。しかしこれは時間帯や多分に個人的な好みも入っておりますので、やはり自分の舌で確かめるのが一番。9割方は満足できるクオリティであったことは間違いない。この他にも休んでいたとかハラ一杯でとても入らなかった為、泣く泣く諦めた等の理由により、店の中には入らずに次回の為に場所だけ確認した所も数多くあります。
我ながらよく食べたなぁ。ナンボ食べても飽きないのが不思議である。
それでもまだまだ美味しい店はあるハズ。これだけで満足するほど私はバカではない(いや、十分お前はバカだ)。まだ20店も回っていないのに傲慢ではあるが、ここで私の選んだベストテンなんてのも発表しよう。
ただしこの場合、純粋に麺の味だけでは判断していない。だって順位つけるなんて難しいんだもーん。だから、味・ロケーション・店主の人間性・値段など、総合的かつ独断的に選んでみた。

1位.山越     もうこれは文句なし!聖域と言って良し。感動の麺。
2位.善通寺の山下 山越とは対極に位置する重量感ながらコシの強さに痺れる。
3位.山内     ロケーション、人間性、味、共に高得点。
4位.彦江     場所を見つけた時点で気分は最高潮に達する。
          それに加えて普段着感覚の居心地の良さ、
          強くてしなやかな麺も実に私好み。
5位.木村     彦江同様オバチャン達だけでやってる大衆食堂を思わせる気安さ。 
           メチクチャ活気があります。ひっきりなしにお客さんが入ってくる。
          やはり皆さんウマい所はよう知っとるわい。
6位.谷川米穀店  家庭的なうどん。とても滑らかで強いコシには欠けているものの、
          その分粘りと味が素晴らしい。オバアチャンが可愛い。
7位.中村     店の主人と奥さんは信じられないくらい不愛想だが、確かにウマい。
          チクショー!ロケーションはバツグンである。
8位.讃岐の里   屋号は如何にもマズそうであるが、
          ざるうどんを食べた時は仰天した。名前で判断してはいかん。
9位.おか泉    冷天おろしの850円はかなり高いが、ナットク出来る満足感。
          多分最初にこれを食べたら腰抜かすんじゃないかな。
10位.穴吹     非常になめらかで独特なぬめりがある。場所もすんなりとはわかりません。
           ココは谷川、木村同様米穀店である。うむ。米穀店侮りがたし。

ああああああ!難しい。実に難しい! この原稿、ベストテンに費やした時間がほとんどだと思ってくれ給え。3位以降は甲乙つけ難くて頚椎捻挫するかと思うほどアタマ捻りまくったわい。「中村」などは御主人、奥さんのどちらかがもう少し愛想が良ければかなり上位に行ったし、「おか泉」なども値段さえもう200円安ければ「山下」にタイマン張れる位置に行けなくもない。「宮武」だって捨て難いし「中北」も「近藤」もビックリなお店なんだよぉぉぉ。たったこれだけの候補の店で悩むのだからこれから多くの仰天の店と出会ったら、マイ・ベストテンはどんどん入れ替わると思う。嬉しいような怖いような。

ほんまにとんでもない病気になってしまったもんだ。最近は自分達だけならともかく、なんと他人まで巻き込んでいる始末であります。
既に主人の他にも約3名ほど病気に感染させてしまいました。どいつもこいつも、もうコッチではうどんが食べられないカラダになりました。頭の中にも「うどん=100円」とインプットされてしまった為、こちらで「きつねうどん 380円」なんて張り紙見ると怒りのあまり暴れだしそうになります。コチラの患者の一人が何を血迷ったか間違ってうどん屋に入ってしまい、ウッカリ「きつねうどん」を注文してしまったらしい。バカな男だ。(うどん屋でうどん頼んで何が悪いんや!)。
その結果、箸で持ち上げた途端麺がプツプツ切れて、己の血管も切れそうになったらしい。自分の体が病魔に侵されていることをまだよくわかっていなかったのが原因ですな。
それにしても、これだけ四国に行きながら「八十八ヶ所参り」よりも「さぬきうどん巡り」の方に力を注いでいる私達に弘法大師は嘆いておられるやもしれません。でも当分、八十八ヶ所参りはしないでしょうね。
そんな事して間違って御利益でもあり、この楽しい病気が治ったりしたら困るもの。

さてさて、次はどこに行こうかな。

 

※この原稿は単行本「うまひゃひゃさぬきうどん」に載せられた寄稿を転載したものです。


※著作権は投稿者に、編集権はさとなおにあります。
  転載などは投稿者およびさとなおの許可を得て下さい。

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