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日経ネットナビ「HOT! COLUMN さぬきうどん」

【「日経ネットナビ」1999年9月号より 】

 たぶん読者の方々はこう思っているのではないだろうか。「さぬきうどん特集?なによそれ?うまいと言ってもたかがうどんでしょ。 近所のうどん屋のうどんとどう違うって言うのよ!?」

 ああ、その気持ち、手に取るようにわかる。ボクも2年前はそうだった。だいたいうどんに価値を感じていなかった。蕎麦党だったのだ。自分で打つくらいは蕎麦党だった。さぬきうどんもまぁまずくはないだろうが、蕎麦の方がずっとうまいに決まっているじゃん!だったのだ。

 ……あれから2年(遠い目)。ボクは変わってしまった。香川の奥地で本当のさぬきうどんを知っちゃって以来もう蕎麦には見向きもしない。あの快感に比べたら蕎麦のうまさなんて数段劣ってしまうのである。そこらのうどん屋のうどんなどもってのほかだ。それはもう、ひっくり返るくらいうまかったのだ。

 はじめてさぬきうどんを食べたときの驚きはいまも忘れない。香川の奥地の納屋みたいな製麺所で、玉をもらって自分で湯がいて自分でネギまで切って食べたあの時の驚き(これぞ香川独特のセルフ方式)。その歯ごたえがまずすごい。ゴチッと歯に当たってくる。歯が本気を出して噛み切りにいくとおもむろに身を許し、最後の一皮でムニ~ッと粘るのだ。歯の攻撃からツルリと逃れた麺もきっちり働く。その、顔が映るくらいツルッツルな表面のせいであろう、歯と唇の間、舌の下、上顎、と、縦横無尽に動き回って口の中を刺激しまくるのだ。うー、気持ちいい! そしてそして喉越しもたまらない。麺が生き物のように喉の奥に向かって突っ走る!

 そう、さぬきうどんは、歯、喉、舌、鼻、そして口の中のあらゆる壁面・隙間、それらをすべて楽しませてくれる「口中総合快感食品」なのである。あなたが普段食べているうどんとは別物だ。違うジャンルの食べ物。そのうえ、そこまでうまいさぬきうどんが、一杯たったの100円だったりするのである!(製麺所のセルフに限る)

 ボクはその驚きをホームページに書き、「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本)という本にもした。そしてそれらを読んでわざわざさぬきうどんのためだけに香川に出かけていった方々からたくさん感謝メールをいただいた。否定的な意見は皆無。100%感謝メールなのである。そう、ボクの偏愛ではない。実際に食べてみてくれ。本当にうまいのだ!

 と、そこまで熱弁されても香川はちょっと遠いしなぁ、という方のためにとりあえず3サイトご紹介しよう。

 まずはその世界では名高い「麺聖」のサイト。ここにさぬきうどんのすべてが書かれている。次にさぬきうどんMLを主催しているkazuさんのページ。さぬきうどんリンクも充実しているからサーフィンの拠点にもってこい。そして、手前味噌ながら県外人によるさぬきうどん初体験の驚きをつづったボクのページ。このページは出版社の目に留まって本にもなった。

 ああ、でも、いまからさぬきうどんの世界に突入するあなたは幸せだ。まだ人生に「あの楽しみを初めて知る」という驚きの瞬間が残されているのである。うらやましい。でもちょっと優越感もあるけどね。

「麺聖のうどんグルメの旅」

めっちゃ充実している。香川県のさぬきうどん屋(約700軒)をすべて食べ歩いた麺聖が詳細にお店をレビューしている。

「かず@神戸っ子の酒とうどんと男と女」

さぬきうどんメーリングリストにはここで入れる。さぬきうどんリンクがとにかく充実していて、漏れがないのではと思われるほど。

「さぬきうどんをCHAIN EATING!」

ボクがさぬきうどんに出会った驚愕の旅をつづった旅行記。お笑い系。「うまひゃひゃさぬきうどん」という本になった。

筆者紹介;
さとなお。神戸在住のCMプランナー。「さとなおの極私的おいしいページ」(http://www.satonao.com/)でレストランレビューを1000軒以上。「ジバラン・レストランガイド」(http://www.jibaran.com/)の団長でもある。著書に「胃袋で感じた沖縄」など。

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