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LV5「夜のフロスト」

R・D・ウィングフィールド著/芹澤恵訳/創元推理文庫/1300円

夜のフロスト
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フロスト・シリーズ第三作。
前二作ともにいろんなランキングでベスト1とか取っている名作。本作も当然どこかでベストに入るであろう出来映えだ。相変わらず750ページ超という大作なのだが、飽きさせず、かといってハリウッド的ジェットコースターというわけでもなく、ダラダラ~とした不思議な牽引力で読者を最後まで引っ張っている。お見事。

今回も著者は主人公に試練を与える。流感大流行でデントン警察署が壊滅状態なのだ。で、嫌みのように次々起こるおぞましい事件…。流感からも見放された名物警部フロストのゴマカシやいかに!(活躍やいかに!とならないところがこのシリーズの秀逸なところ)というところだが、なんと今回のフロスト、アクション場面までこなすのだ。まぁアクション場面に関してはさすがにサービス過剰と思われるけど。

読者は、フロストの昼も夜もない激務と大きなポカを一緒に経験し、時に一緒に自殺したくなるほど情けない気分にさらされる。でもこれはこれで勇気を与える書だな。劣悪なる労働環境、かんばしくない才能と成績、その異様なまでの仕事中毒……そんなフロストの毎日は、我が身を顧みさせるに十分なのだ。サラリーマン的価値観がはびこる現代人の共感を得る現代的ニューヒーロー(?)である。

2001年08月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ミステリー

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