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「永遠に去りぬ」

amazonゴダードの第8作目。2001年2月に出た邦訳である。
誰でも認める稀代の語り部は今回も健在。600ページ超の長さを読者を飽きさせず二転三転させ、破綻なく結末まで織り上げ導く手腕は相変わらずである。
ただ、詩的趣味というか言葉を華麗にしすぎる趣味はデビュー当時より強まっており、訳者はその感じを出そうとしているのだろう、小難しい漢字や言い回しを多用している。効果は発揮しているが多用しすぎかもしれない。ボクはちょっとうんざりした(ゴダードの訳者たちはどうしてこう凝るんだろう。原文の雰囲気を出そうとしているのはわかるが…)。
今回の作品もまた、主人公がある偶然の出会いによって事件に巻き込まれていくものなのだが、他の作品に比べてちょっと主人公が巻き込まれる感じが無理矢理。最後まで主人公にカタルシスを感じなかったのも難。
また、前半がまだるっこしいし(静かな伏線としてはゴダード調ではあるのだが、ちょっと長すぎる)、ラスト近くの登場人物たちの行動も疑問。長編の収束点が人間の詩的な一言に集約されていたりするあたり、ひとつ間違えると自己満足でしかないギリギリの線を行っている。二転三転するストーリー自体はさすがなものだったが、結果的にはまぁゴダードにしてはもうひとつかな。
2001年08月01日(水) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:ミステリー
@satonao310