トップ > おもしろ本 > 著者別一覧 > > ロバート・ゴダード >

LV5「一瞬の光のなかで」

ロバート・ゴダード著/加地美知子訳/扶桑社/2300円

一瞬の光のなかで
amazon
読み応え、という言葉があるけど、ゴダードの一連はまさにそれ。
久しぶりに読むゴダードだけど(読みはじめるとドップリ作品世界に浸っちゃうので忙しいときなど手を出すのに勇気がいるのだ)、二段組470ページを急かせず飽きさせずジンワリジワジワ味わわせてくれる筆力はさすがなものだ。そう、飽きさせない本はいくらでもあるけど「急かせない本」は意外と少ない。謎また謎ではあるのだけど、先を急ぎたくないストーリー展開。うーん、これってやっぱり細部の描き込みかなぁ。どこまでもじっくりつきあいたくなる本である。

男が恋に落ちたあと理不尽に放り出されて、そのあと真相に向かってさまよい歩いているうちに謎が謎を呼び、過去と現在が交差し、そして思いもかけぬ結末へと収束していく…、というゴダード小説のある典型をこの小説も持っている。いろんなエピソードがこれでもかと織り込まれ、それが無理なくオチに向かう様相は見事のひと言。写真を題材とした本作は、「千尋の闇」などの過去の大傑作群に比べればちょっと落ちる気がするものの、ゴダード・ファンには十分楽しめるもの。でもゴダード初読の方は「千尋の闇」あたりから入った方がいいかもしれない。

2001年06月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ミステリー

メニュー

Follow satonao310 on Twitter @satonao310

satonao [at] satonao.com
スパム対策を強化しているので、メールが戻ってきちゃう場合があります。その場合は、satonao310 [at] gmail.com へ。

ページの先頭に戻る

Google Sitemaps用XML自動生成ツール