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「美麗島まで」

amazon著者が、亡くなった母親、そして家族の歴史を、沖縄〜台湾(美麗島)までゆっくり静かに追ったノンフィクション。
と書くと硬派っぽいが、ちょっと須賀敦子のような静かな筆致と地道なルーツ探しや地味だが豊かな旅などが重なり合ってとても味わい深く優しい一編に仕上がっている。母親を追っていく過程でさまざまな出会いをし、偶然としか思えない巡り合わせもあり、著者はこの本の中でゆっくり成長しているようである。
読み進むうちに、沖縄と台湾の歴史も副産物的に理解される。家族を追いその周辺を描写しながら、結果的に戦前戦後を日本と台湾に挟まれながら生きた沖縄人たちの姿まで浮き彫りになってくる。著者は東京で生まれ育った沖縄二世。沖縄人でも大和人でもない視点からこの本を書くことで自分の精神的ルーツを確立したい気持ちもあったのだろうと思う。美麗島までの旅は、著者にとって自分への旅でもあったのだ。
2003年08月01日(金) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:ノンフィクション
@satonao310