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「山際淳司スポーツ・ノンフィクション傑作集成」

amazon先日夭折した山際淳司の傑作選。約80編入っている。高価だがコストパフォーマンスは良い。
「江夏の21球」という超弩級スポーツ・ノンフィクションで実質的デビューを飾って以来、第一線で活躍してきた著者ではあるが、改めてすべてを読み返してみると、誤解を恐れずに言えば「この人は決してうまくない」と言わざるを得ない。もちろん、これは、と言う短編もある。でも「こんなにいい素材だったら他もっと面白くなるはずだ」と思わせるストーリーが意外と多いのだ。
そう、彼は素材採集の天才ではあったがライターとしては素朴なタイプだった。というか、変な「小説的技巧」や「バラエティ的盛り上げ」を排除した文体なのだな。その辺は逆に評価すべきなのかもしれないが、題材がスポーツであるだけに、スポーツ自体の派手さに文章が負けている部分が多いと感じた。そういう意味では、この本は文章より素材を読んで欲しい。「目からウロコ」がいっぱい詰まっている。
1996年01月01日(月) 12:00:00・リンク用URL
@satonao310