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「最後の昼餐」

amazon根津りえの絵と俳句がとてもいい。この挿絵がなければこの本の魅力は半減であろう。まぁこの絵自体が執筆動機なのだからそんな仮定はありえないのだけど。
根津りえが描いているのは、著名な建築家である著者との「料理絵日記」である。
どちらかが料理を作りそして彼女が描く。それがある程度まとまったので著者が文章をつけたわけだ。大変楽しそうな食卓がページに広がっていて読んでいるこちらも楽しくなる。では文章も浮かれきっているかと言えば、これはそうでもない。透明で静かな文章が続く。これは本の最後の方でわかるのだが、著者が癌に侵されてから書いたものだからだろう。
静かで充足したセンスのいい日常が終息していく様がここにある。まだ著者は健在だが、「一番愛していた時間」をこの本に凍結保存しておきたかったのではないか。読み終わってそう思った。
1998年06月01日(月) 12:00:00・リンク用URL
@satonao310