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「模倣犯」

amazon2001年4月発行の大ベストセラー。
ハードカバーですぐ買って、ほぼ2年間も積ん読になっていた。なんつうか宮部みゆきってもちろんスゴイとは思うのだけど、安定してる分「まぁそのうち歳とってからゆっくりはまればいいか」みたいな心情になるのだよなぁ。そのうち鬼平、とか、そのうち藤沢、とか、それに近い感じがボクの中にはあるかも。ということで、ずっと読まなかったのだが、戦争突入の無力感から逃れたくて、圧倒的筆力&読み易さを求めて本棚から光臨。
二段組みで上下あわせて約1400ページ 。
大作だ。なのにダレずにグングン引っ張ってくれるし細部もしっかりしているし平易で読み易いし、さすが。「このミス2002年第1位」を始め、どの賞でもめちゃ評価が高いのもわかる。でもまぁ個人的には「それほどでもなかった」というのが素直な感想。著者に対していっつも感じる「ぬるさ」みたいなのが今回もぬぐえず残念。ある種の「いい性格」というか「お育ち」みたいのが行間に滲み出てしまい、冷たくなりきっていない感じ。今回はそれでもかなり冷たく書いたのだとは思うけど、個人的にはどうしても違和感と物足りなさが出てしまう。
登場人物の中では前畑滋子に共感できないまま最後まで行ってしまったのが不満。だから結末にも違和感がある。殺人事件の加害者の親族の異様な行動についてはとてもリアリティがあった。この手の本では出色のリアリティかも。
2003年04月01日(火) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:ミステリー
@satonao310