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「謝々!チャイニーズ」

amazon「転がる香港に苔は生えない」で大宅賞を取った著者のデビュー作。写真集をふくめて著者の本はほとんど購入しているボクであるが、デビュー作が一番最後になってしまった。
で、感想はというと「一番おもしろいじゃん!」である。よくデビュー作にはその著者のすべてが入っているというが、まさにそんな感じ。訥々とした静かな語り口と、若くして人生の軸がぶれない安定感が全編を貫き、読者は安心して星野博美ワールドの中に埋没していくことが出来る。
副題は「中国・華南、真夏のトラベリング・バス」。
ベトナム国境の街東興(トンシン)から上海までバスを使って彷徨っていくノンフィクションだ。トラブル続きのバス旅行。いまの流行で行けば、ハイテンション・カルチャーギャップ紀行文にするのが一番お手軽なのだろうが、著者は性格の暗さ(?)もあって、じっくり足を踏みしめる。そのことが、この本を「こんな旅行をした」という単なる紀行文ではなく「こんな人生を生きた」という著者自身の物語にしている所以だろう。何度か読み返してみたくなる名ノンフィクションである。
2002年06月01日(土) 12:00:00・リンク用URL
@satonao310