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LV5「『エンタメ』の夜明け」

馬場康夫著/講談社/1400円

「エンタメ」の夜明け ディズニーランドが日本に来た!
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副題が「ディズニーランドが日本に来た!」。
ホイチョイ・プロダクションズのリーダー馬場康夫の書き下ろし。日本のエンタテインメント・ビジネスを「始めた人」へのオマージュであり、日本のエンタテインメント草創期の記録でもある。

まず文章がいい。事実との距離のとり方が絶妙。客観的で独白的でハードボイルドだ。たぶん(たぶんだけど)森山周一郎の声を意識して書いたんじゃないかな(笑)。彼が読むとびったりハマル感じ。そんな文章である。変に熱いドキュメンタリーにせず、ちょっと上から硬派かつ冷めた目で俯瞰している。これはたぶん著者自身がこの題材に惚れ込んでいるからこそ、なのだろう。いくらでも熱く書けるからこそ、逆にきっちり客観的に距離を置いた感じ。そしてその手法は成功している。

内容は、小谷正一と堀貞一郎という2人のプロデューサーを軸にしたノンフィクション。
ふたりとも広告会社の電通にいて大阪万博、そしてディズニーランドの立ち上げに関わった。その半生と仕事を丹念に追った上で著者はこう言い切っている。「ディズニーランドの出現ほど、日本の行方を変えたできごとはなかった」と。このちょっと鼻白む結論もこの本を読んだあとだとすとんと胃の腑に落ちる。そして一般的には「無名」であるこのふたりが日本にボディーブロー的に与えた影響の大きさに感動するのである。

あえて言えば、盛り上げたあげくのディズニー誘致顛末を多少端折ったのが残念。そこがこの本の骨ではないとはいえ、ちょっとだけはぐらかされた感も残る。また、小谷正一の記述ももう少し読みたい。特に引退前後からの記述が(資料が少ないとはいえ)もう少し欲しいのも事実だ。

ホイチョイでの活躍を含めて、著者は「時代の空気とそれを作っている人々」が本当に好きなんだろうな。時代の観察者として馬場康夫という逸材を持っている我々はとても幸せなんだろうと改めて思う。
これからエンタメを目指す若手は特に必読。現在普通に享受しているエンタメの裏にある歴史を知りたい人もぜひ読んで欲しい本。

2007年04月10日(火) 19:28:11・リンク用URL

ジャンル:ノンフィクション , 自伝・評伝

LV5「気まぐれコンセプト クロニクル」

ホイチョイ・プロダクションズ著/小学館/2310円

気まぐれコンセプト クロニクル
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1981年からコミック誌「ビッグコミックスピリッツ」で連載を続けている広告業界4コマ漫画「気まぐれコンセプト」を四半世紀分まとめてまとめた974ページの超大作。
結果的に「日本現代風俗史」的趣きになっており、これを見れば当時の流行りがすべて肌実感できる作りになっている。さすがホイチョイ。まぁ映画「バブルへGO!!」公開との連動販促的な部分もあるとは思うが、実際こうやって四半世紀分を読み返してみると実に貴重。小分けにして出さず、ドカンと辞典的に出したあたりにセンスを感じる。

「気まぐれコンセプト」は1984年にも単行本が出ている(もちろん持っている)。
このクロニクルはそれ以降1984年〜2007年までのセレクト集になっている。ボクは1985年に広告業界に入ったので、ほぼボクの入社以来の広告業界史がこの本に入っていると言っても過言ではない。もちろんホイチョイ特有のデフォルメはされているのだが(いや、本当にめちゃめちゃデフォルメされてます)、とはいえその「デフォルメ具合」がその時代の空気を表していて、これらの4コマを読むだけで相当リアルに当時の空気が思い出されるのだ。「わかるなぁ」「あったなぁ」の連続だ。

ホイチョイは他にも「見栄講座」「OTV」「東京いい店やれる店」「私をスキーに連れてって」「彼女が水着に着替えたら」などで、「その時代そのものを本やフィルムにきちんと定着させておいてくれた」。それは本当に有り難く、とても感謝している。しかもそこに変に意味を持たせず、ミーハーに徹したアプローチ。素晴らしい。並のセンスでは出来ないことである。

ま、厳しく言えば、2007年現在の「広告業界の今」を捉えきってはいないかも。少しワンパターンになりすぎている。でもそれも長く続けてきたからこそだし、ワンパターン漫才を楽しむような「味」にはなっているからいいのだが。

2007年03月21日(水) 18:53:03・リンク用URL

ジャンル:漫画 , ノンフィクション , 雑学・その他

LV5「small planet」

本城直季著/リトルモア/2625円

small planet
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ボクから娘へのクリスマスプレゼントにした本。
実際の風景をミニチュア模型ライクに見せる大好きな写真集である。

何も知らずに手に取ると「ミニチュア模型で作った風景をいかにもリアルな風景っぽく撮っているんだ」と誰でも思う。でもじっくり見ていくと「あ、リアルをミニチュアのように見せているんだ!」と気づく。これが飽きない。箱庭好きにはたまらない。うわーうわーと感嘆しながら見てしまう。なんでも大判カメラのあおり(カメラでレンズと感光面をずらして撮影する技術)を使って撮るとこうなるらしい。ふーん。Photoshopでも作れそうだけど、後処理しないからこそのシズルがよく出ているなぁ。

そう、現実は見方をちょっと変えるだけで非現実的になる。いつも「リアル」だと思って見ているもの、感じていることは、本当に「リアル」なのか。つか、リアルとは何なのか。いま生きている日常は本当にリアルなのか。そんな視点を与えてくれる一冊だ。よくできた文学や映画のように、日常を異化してくれる希少な芸術作品なのですね。

小6には少々ハイブローかもだけど、こういう視点を持つと人生に「強く」なれるので、あえてあげた。とりあえず娘はこの面白さをわかってくれたようで、「おもしろーい!」を連発しながら見てくれた。よかった。

2006年12月25日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集

LV3「なぜ私たちは3ヶ月で英語が話せるようになったのか」

本城武則著/実業之日本社/952円

なぜ私たちは3カ月で英語が話せるようになったのか
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この本は、見た目も目的も英会話の本であるのだが、実は自分のプレゼンテーション、いやもっと言うと生き方の本とすら言えるかもしれない内容を持っている。
なぜ日本人は英語が話せないのか、という命題を「対人恐怖症」「白人崇拝病」「声が小さい」などという「日本人の性格」で解いていっているあたりが個人的に目ウロコ。そしてそれらを治す対策を著者の教室でやっただけで、生徒がどんどん(しかも3ヶ月で)英語が話せるようになっていったというのだ。

って、ここで短くまとめてもウソっぽいな。
でもこの薄い本に詰まっているノウハウは、実は何よりも日本人に足りないものなのだ。というか、日本語を使う状況ですら、ほとんどの日本人がこれらのことが出来ていない。ましてや英語においておや。これらを治すだけで「コミュニケーション力」が数倍になるのは明白だし、「コミュニケーション力」が数倍になると英語も通じるようになる(話せるようになる、ではない)のはもっと明白だ。あーなるほどなるほど……。この本を読み終わっただけで妙な自信がついてしまったボクをどうしよう。うはは。もう英語が話せるような気分になっているのだ。そしてそれがこの本のゴールなのだ。サンキューソーマッチ!

2003年09月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:実用・ホビー

LV3「世界音痴」

穂村弘著/小学館/1365円

世界音痴
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39歳独身総務課長代理、な、歌人である著者のさえない日常を淡々とつづったエッセイ集。
恋人も持たず、青春の明るさに乗れず、都市の暮らしに馴染めず、とにかく世界全体に適応できない彼の静かな告白的文章が続く。まさに世界音痴。題名はとてもナイスだ。

それぞれのエッセイの自分自身を見る目はとても確かで、ああそういう気持ちよくわかる、の連続である。文章も独特で味がある。いいエッセイ集だと思う。
ただ、各エッセイの最後に短歌がつくのだが、この短歌がエッセイを超えていれば(少なくともエッセイを強烈に引き立てていれば)、もっともっといい本になったと思う。桝野浩一だったらそれを果たすだろう。エッセイでなさけなさを書いておいて、短歌でそれを逆手にとって読者になにかを残そうとするだろう。寒川猫持も上手に計算してそれをすると想像する。
でもこの著者はそうしない。そこが味でもあり不満でもある。エッセイはおもしろいのに(後半のエッセイはいまひとつなんだけど)、全体として印象がいまひとつなのはそのせいかもしれない。この本を出した時点で、ある意味著者のなさけない日常は「売り」のひとつになったはず。そこを独自の視点で切り取ったいい歌を、ボクは読みたい。贅沢かな?

2002年09月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 詩集・歌集など

LV5「謝々!チャイニーズ」

星野博美著/情報センター出版局/1400円

謝々!チャイニーズ―中国・華南、真夏のトラベリング・バス
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「転がる香港に苔は生えない」で大宅賞を取った著者のデビュー作。写真集をふくめて著者の本はほとんど購入しているボクであるが、デビュー作が一番最後になってしまった。

で、感想はというと「一番おもしろいじゃん!」である。よくデビュー作にはその著者のすべてが入っているというが、まさにそんな感じ。訥々とした静かな語り口と、若くして人生の軸がぶれない安定感が全編を貫き、読者は安心して星野博美ワールドの中に埋没していくことが出来る。

副題は「中国・華南、真夏のトラベリング・バス」。
ベトナム国境の街東興(トンシン)から上海までバスを使って彷徨っていくノンフィクションだ。トラブル続きのバス旅行。いまの流行で行けば、ハイテンション・カルチャーギャップ紀行文にするのが一番お手軽なのだろうが、著者は性格の暗さ(?)もあって、じっくり足を踏みしめる。そのことが、この本を「こんな旅行をした」という単なる紀行文ではなく「こんな人生を生きた」という著者自身の物語にしている所以だろう。何度か読み返してみたくなる名ノンフィクションである。

2002年06月01日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ノンフィクション ,

LV3「銭湯の女神」

星野博美著/文藝春秋/1524円

銭湯の女神
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「転がる香港に苔は生えない」で大宅賞を取った著者の受賞第一作。
香港から帰ってきて日本に違和感を感じたまま書きつづった日常エッセイだ。「転がる香港…」がとても気に入ったボクは、続けてこれも読んでみた。結果的には予想を裏切らぬ好エッセイであった。

焦点は銭湯とファミレスに当たっている。
このふたつを中心に、彼女の回りに起こる様々な物事を通して世の中を、そして違和感だらけの日本を分析している。同じ題材を群ようこが書いたら抱腹絶倒ものになるであろうが、星野博美が書くととても内省的なものの見方になる。お昼のワイドショーとラジオ深夜便くらいは静かさが違う。もともと活発なタイプでないのだろうが、その活発でない部分を自分の中で肯定的に捉え、積極的に前面に押し出しているのが彼女の個性である。無理に明るく書くエッセイストが多い中、すがすがしくさえある。さすが写真家(本業)というべき描写力もなかなか良い。
明るい日常エッセイはそこらじゅうに溢れているが、この本のようなエッセイは著者しか書けない。その武器を最大限に使用している気持ちのよいエッセイであった。次も読みたいな。でも寡作なのだろうな。

2002年03月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ

LV5「転がる香港に苔は生えない」

星野博美著/情報センター出版局/1900円

転がる香港に苔は生えない
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2000年4月初版の本で、大宅賞もとっており、前から読みたかったのだが本屋で見つけてやっと読んだ。581ページの大部。中国返還の前と後、激動の香港の、現地人でも住むのをためらうような地域に2年間住み込んだ著者の貴重なノンフィクションである。

取材目的で入ったのではなく人生生活として香港に入ったことがノンフィクションに厚みを与えている。しかも著者は現地語(広東語)がある程度しゃべれる。危ない場所や汚いところもあまり物怖じせず入っていく。そして現地の人とかなり濃いふれあいを重ねている。そういう貴重な体験を、ちょっと内省的だが素直で精緻な文章で表現し、ボクたちに伝えてくれている。対象を客観的かつ肌感覚で捉えられ、それを静かな筆致と心地よいリズムで表現できる日本人の書き手があの時期の香港にいたことを、同国人として幸せに思う。

題名がいい。動的で勢いのある題名なので中身もそうかなと思って読み始めるが、中身はわりと静かで分析的。そのギャップに戸惑いながら読み進むと、だんだん著者が題名に込めた思いが見えてくる。そして「さざれ石の巌となりて苔のむすまで」変わらない安定を望む日本人との鮮やかな対比が(結果として)見えてくる。

これはあの時期の香港を語った都市的ノンフィクションというよりは、「苔むす」日本人である著者が「苔の生えない」香港人の中に混じることで自分を見つけていく(もしくは見失う)、模索と喪失の物語だ。だから美しく切ない。堪能した。著者の視点と同化して他にもいろんなものを見てみたい。他の作品も読んでみよう。

2002年02月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ノンフィクション ,

LV3「放浪の天才数学者エルデシュ」

ポール・ホフマン著/平石律子訳/草思社/1800円

放浪の天才数学者エルデシュ
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先月読んだ「フェルマーの最終定理」が面白かったから今月も数学者ものを探した。そこにちょうど新刊。藤原正彦の数学に関するエッセイ(「心は孤独な数学者」とか)はほとんど読んだりしていたから、もともと好きなのかもね、数学者噺。
で、エルデシュ。ファインマンなみに変人として有名な人だけあって、エピソード満載。そのエピソードを追っているだけでめちゃくちゃ面白い。ここまで破天荒な人も珍しい。これだけの素材、上手に扱えばそのエピソードだけで人は読む。

が、「フェルマーの最終定理」は数学がわからない人でも楽しく読めるのに対して、この本は中盤かなり数学的に突っ込んだ記述もなされていて、それが辛い人には辛いかもしれない(辛い人=ボク)。
このぐらい突っ込まないとつまらないという人もいるかもしれないが、その論がエルデシュと遠いところでなされているのが問題だ。エルデシュ周りの定理とかなら読者ももっと我慢しただろう。最終定理を解いたアンドリュー・ワイルズに対する記述もかなり出てきて、個人的には先月とうまく繋がって面白かったけど、もう一息って感じの本。

2000年07月01日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:自伝・評伝 , 科学

LV5「ロケットボーイズ」

ホーマー・ヒッカム・ジュニア著/武者圭子訳/草思社/上下各1800円

ロケットボーイズ〈上〉
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NASAの元技術者が書いた自伝。
全米でベストセラーを記録し、映画にもなった(邦題「遠い空の向こうに」)。アメリカの田舎の炭坑町で、ロケットに憧れ、ロケットを飛ばすことを夢見た高校生たちの実話である。

ソ連のスプートニク打ち上げで宇宙開発に一歩後れをとったアメリカの当時の雰囲気や田舎の炭坑の様子が活写され、劣等生たちがロケットを飛ばす夢をどうやって叶えていったか、ちょっと「アメリカン・グラフティ」みたいな雰囲気の中、清冽に描かれていく。ケネディの時代、夢が夢であった時代、そんなノスタルジィもあるのだろう、ちょっときれいに描きすぎているきらいはあるが、登場人物たちが魅力的なこともあって(父や母や先生たちといった脇役のキャラが立っているのだ)、飽きさせない。淡々とした筆致で静かに物語が進むさまも好感が持てる。

歌い上げている自伝は基本的に苦手であるが、題材がとてもいいのだからもうちょっと歌い上げても…と思わせる感じがこの本にはあった。また、キーになるロケット技術の描写を端折りすぎているのも気になる。読者はかなり興味を持って読んでいるので、例え少々専門的になろうとも、もうちょっとでいいから描写してほしかったと思うのである。

2000年05月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(海外) , 自伝・評伝

LV4「サラリーマン転覆隊 門前払い」

本田亮著/フレーベル館/1600円

サラリーマン転覆隊門前払い
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傑作シリーズの最新刊。
サラリーマン転覆隊の面々が日本そして世界の様々なる川をカヌーで下っていく(今回は富士山をMTBで滑落していく章もある)お笑いカヌー紀行であるのは前作と変わらない。相変わらずのおもしろ文体と上手なデフォルメでしっかり笑わせてくれる。まぁ川は変わろうがネタ的には変わらないので、だんだん吉本新喜劇を見ているような趣になっていくが、「サラリーマンの生き方とはなんだ? 元気に生きたっていいではないか! もっと遊ぼうぜ日本のサラリーマン!」みたいなプレゼンテーションが読者に伝わってきて「よくやるよ」と思いつつ知らず知らずに元気になっている自分に気がつく。

ただこれは良し悪しで、あまりに「サラリーマン」を強調しすぎて、今回は少し説教くさくなっているかもしれない。
あとがきに「サラリーマンの応援歌として書く」とあったが、そういう匂いが前面に出てくるとシリーズの爽快さが消えてしまうかもしれない。結果論的に応援歌になるならいいのだが、意図を持ってそのように書くのはやめた方がいい気がする。ちなみに著者はボクと同じ会社のヒトなんですね。お会いしたことないけど。

2000年05月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル: , スポーツ , ノンフィクション

LV4「芸能界一発屋外伝」

宝泉薫編著/彩流社/1200円

芸能界「一発屋」外伝―“笑いと哀しみ”の一発屋ワールド
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労作。前作「歌謡界一発屋伝説」よりもずっと面白い。

前作は歌謡界の一発屋について書いているが、たぶん歌謡界の方が得意分野だったのだろう、ちょっと読者レベルに合わせて手加減したような所があった気がする。今回の芸能界全般編は、逆に目一杯がんばっている感じ。これでもかこれでもかと雑学的オタク的知識をぶちこんであり非常に読み応えがあった。お笑い、ドラマ、CF、お色気、文化人、異能者…、いろんな分野での一発屋たち。一発屋に対する愛も充分に感じられてとてもいい。(中谷彰宏を「著者が唯一、本当の一発屋になってほしいと願う男」と位置づけているあたりも共感)

ただこの感想は単にボクが「芸能界全般より歌謡界の方が圧倒的に詳しい」ということも影響しているかも知れない。
前作についてボクは「題材によっては突っ込み不足」などと偉そうに書いているが、芸能界編も詳しい人に言わせるとコッチも「突っ込み不足」な部分があるのかもしれない。それはわからない。ボクにとってはコッチの方が熱を感じたし感心させられるところが多かった、ということ。

2000年02月01日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他 , 映画・映像

LV3「歌謡界一発屋伝説」

宝泉薫編著/彩流社/1200円

歌謡界「一発屋」伝説
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いつか誰かにやって欲しいなぁ…誰もやらなかったら自分でやろうかなぁ、と思っていた企画。やっと出たか、という感慨だ。

70年代・80年代の一発屋たちをテーマ別に取り上げ詳しく検証している物で、題材によっては突っ込み不足と思われるが(ボクみたいなオタクに言わせると、だけど)全体的にはとてもよく出来たバランスいい仕上がりだ。
詳しすぎる人には不満だろうけど、上手に一般向けになっているのだ。ただ、じゃぁ詳しい人より一般人の方が買うのか、と言うとそれは違う気もするので、もっともっとマニアックに走ってみても良かったかもしれない。

とにかく、懐かしくなってしまってカセットを家捜しして聴きまくってしまった。

1999年03月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:音楽 , 雑学・その他 , ノンフィクション

LV5「表現者」

星野道夫著/SWITCH LIBRARY/3200円

表現者
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星野道夫の死に捧げるオマージュ本。
400ページにも及ぶ長大な弔辞のようなもの。まぁ写真がたくさん掲載されているからすぐ読めてはしまうけど。

星野道夫を好きだった人なら時間を忘れて楽しめるだろう。
「ひとりの人間が亡くなることは、ひとつの図書館が焼け落ちること」 文中に彼の言葉としてこんな言葉が紹介されているが、まさにそう言わざるを得ないような彼の死であった。

彼の死を悼む人達と、しばし一緒に語らいたい。そんな読者にはうってつけの本。まぁ難を言えば題名がどうだろう。彼なら、こういう含羞がない言葉を、使わなかったと思う。

いい言葉に出会った。著者の好きな言葉だったらしい。「人生とは、何かを計画している時起きてしまう別の出来事のこと」~Life is what happens to you while you are making other plans.

1998年11月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル: , エッセイ , 写真集・イラスト集

LV1「マダム・ルロワの愛からワイン」

星谷とよみ著/文園社/2500円

マダム・ルロワの愛からワイン―ブルゴーニュ 土の味・風の香り
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副題は「ブルゴーニュ 土の味・風の香り」。
ブルゴーニュの英才、マダム・ルロワのワインに対する真摯な取り組み、そしてビオディナミの考え方はよくわかった。

でも読後感はそれだけかも。
なにしろ著者が素材(マダム・ルロワ)を崇め奉っちゃっているから、なんだか読者は引いてしまうのだ。

なかなかいい素材なのだから、それを冷静に客観的に取り上げてしっかり書いてほしかった。
マダム・ルロワを賞賛し、彼女が言っていることをただ単に書き写しているだけの本なのだ。ええ、そういう本の存在価値は認めます。でもそこからは生身のマダム・ルロワは匂ってこないし、彼女の作った素晴らしいワインを飲むときの付加価値も浮かび上がってこない。もう二歩も三歩も踏み込めばとっても面白いものになるのになぁ。惜しい限り。

1998年10月01日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:食・酒

LV5「サラリーマン転覆隊が行く!」

本田亮著/フレーベル館/上下各1600円

サラリーマン転覆隊が行く!〈上〉こいつら日本で一番、過激でヘタなカヌイスト達。
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ある会社のサラリーマンたちが日本の様々なる川をカヌーで下っていくお笑いカヌー紀行である。

ロードムービーのような臨場感がありいつのまにか読者は登場人物たちと一緒に泣き笑いをしながら読む続けることになる。全体に非常におもしろい。これは著者のおもしろ文体と、上手なデフォルメによるものが大きいと思う。

ただボクは下巻の北山川の項のところでのあまりの無反省ぶり・脳天気ぶりにちょっと気分がしらけてしまった。
同じトーンで書き続ける狙いはわかるが、落ち着く所は落ち着かないと読んでいる方はなかなかつらい。それと、サラリーマン、サラリーマンとあまり強調しなくても十分面白い。なにか最後の方は説教くさく聞えてくるのが惜しいところ。

1998年08月01日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル: , スポーツ

LV3「エチケット1994」

細川布久子著/TBSブリタニカ/1300円

エチケット1994
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エチケットというのはフランス語でラベルのこと。つまりワインのボトルについているラベルのことをエチケットというわけ。
この本は、著者がまったくのワイン初心者だった頃の話から、フランスソムリエ協会にもぐり込み、しまいには権威あるワイン試飲会で優勝しそのテーマワインのエチケットに自分の名前が印刷されるに至るまでを書いた、女性ひとりでのフランスワイン修行記なのだ。

どんな著者かわからないままに物語が進むのでなかなかカタルシスが得られにくいのが欠点だが、その素直な目線で書かれたワインのあれやこれやは新鮮で趣すら感じられる。またフランスのシャトーやソムリエ達の描写もおもしろい。雑誌などで脚色されて伝わってくるのとはずいぶん違うまさに生の情報だ。ワイン好きならきっと楽しめる本だろう。

1998年01月01日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:食・酒

LV4「父・丹羽文雄 介護の日々」

本田桂子著/中央公論社/1200円

父・丹羽文雄 介護の日々
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作家・丹羽文雄の実の娘が、アルツハイマーに冒された父親と「まだらボケ」の母親を介護する様を、驚嘆するほど冷静かつ平明に描いたノンフィクション。

その客観的な筆致は淀みなく、見事に両親を浮き彫りにしている。ここまで肉親を赤裸々に書けるものか、と感心してしまうほどだ。こういう題材を暗く悲しく書くのは誰でも出来る。さすが文豪の娘、というべきか、どうだ、この明るく平明な描写は!

実はボクの祖父母もかなり痴呆が進んでいたので(去年死亡)、他人事でなく熟読した。ボクが当事者だったらここまで書けるかどうか…。

1997年09月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ノンフィクション , 健康 , 教育・環境・福祉

LV5「ウォルト・ディズニー」

ボブ・トマス著/玉置悦子・能登路雅子訳/講談社/2900円

ウォルト・ディズニー
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娘を持って以来、急に観る機会がふえたディズニー映画。
ところでいったいどういう人なのだろう、有名だけど本人について何も知らんな、と気になっていたらやっと伝記を見つけた(95年12月初版)。

期待せず読み始めたらこれが面白いの何の。
著者はたんたんと書いているのだが要を得て無駄がない。伝記としてはピカイチの出来だろう。素晴らしい。各映画のエピソードやディズニーランドのエピソードなどファンにはたまらない本ではあろうが、ボクみたいにファンではない人間(どちらかというと嫌い)でも最高に楽しめる一人の精力的な男の人生。まさに今世紀を代表するクリエーターの人生を、あなたも読みたくない?

1997年06月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:自伝・評伝 , 映画・映像

LV2「季節の記憶」

保坂和志著/講談社/1600円

季節の記憶
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前作「この人の閾」で芥川賞をとった著者のいわゆる受賞第1作。前作はあまりボクには合わなかったが、1作で判断するのも何なので読んだ。意外と悪くはなかった。

ただ、いくつかやはり好きじゃない部分はある。構成の主要要素である会話にリアリティがあまりない。終始だらだらと普通の人が言いそうもないことを会話し続ける。夏目漱石の小説に出てくるような会話(古臭い物言いという意味でなく内容が)なのだ。この著者はイイタイコトを「しゃべり」で表現しようとしすぎる気がする。
全体に趣味はいいし、言っている内容はよい。だからもう少しエンターテイメントがあるとよりいいと思うのだけど。
なお「季節の記憶」のホームページがあるそうだ。筆者と一緒に実際に小説に出てきた場面を歩ける。そういうのってイイね。http://www.iijnet.or.jp/SHONAN-NET-134/Hosaka/へどうぞ。

1997年02月01日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

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