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LV3「銭湯の女神」

星野博美著/文藝春秋/1524円

銭湯の女神
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「転がる香港に苔は生えない」で大宅賞を取った著者の受賞第一作。
香港から帰ってきて日本に違和感を感じたまま書きつづった日常エッセイだ。「転がる香港…」がとても気に入ったボクは、続けてこれも読んでみた。結果的には予想を裏切らぬ好エッセイであった。

焦点は銭湯とファミレスに当たっている。
このふたつを中心に、彼女の回りに起こる様々な物事を通して世の中を、そして違和感だらけの日本を分析している。同じ題材を群ようこが書いたら抱腹絶倒ものになるであろうが、星野博美が書くととても内省的なものの見方になる。お昼のワイドショーとラジオ深夜便くらいは静かさが違う。もともと活発なタイプでないのだろうが、その活発でない部分を自分の中で肯定的に捉え、積極的に前面に押し出しているのが彼女の個性である。無理に明るく書くエッセイストが多い中、すがすがしくさえある。さすが写真家(本業)というべき描写力もなかなか良い。
明るい日常エッセイはそこらじゅうに溢れているが、この本のようなエッセイは著者しか書けない。その武器を最大限に使用している気持ちのよいエッセイであった。次も読みたいな。でも寡作なのだろうな。

2002年03月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ

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