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LV3「世界音痴」

穂村弘著/小学館/1365円

世界音痴
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39歳独身総務課長代理、な、歌人である著者のさえない日常を淡々とつづったエッセイ集。
恋人も持たず、青春の明るさに乗れず、都市の暮らしに馴染めず、とにかく世界全体に適応できない彼の静かな告白的文章が続く。まさに世界音痴。題名はとてもナイスだ。

それぞれのエッセイの自分自身を見る目はとても確かで、ああそういう気持ちよくわかる、の連続である。文章も独特で味がある。いいエッセイ集だと思う。
ただ、各エッセイの最後に短歌がつくのだが、この短歌がエッセイを超えていれば(少なくともエッセイを強烈に引き立てていれば)、もっともっといい本になったと思う。桝野浩一だったらそれを果たすだろう。エッセイでなさけなさを書いておいて、短歌でそれを逆手にとって読者になにかを残そうとするだろう。寒川猫持も上手に計算してそれをすると想像する。
でもこの著者はそうしない。そこが味でもあり不満でもある。エッセイはおもしろいのに(後半のエッセイはいまひとつなんだけど)、全体として印象がいまひとつなのはそのせいかもしれない。この本を出した時点で、ある意味著者のなさけない日常は「売り」のひとつになったはず。そこを独自の視点で切り取ったいい歌を、ボクは読みたい。贅沢かな?

2002年09月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 詩集・歌集など

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