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「たのしい不便」

amazon副題は「大量消費社会を超える」。
毎日新聞西部版での人気連載を一冊にしたものらしい。簡単に言うと「不便を実践してみた」という連載だ。具体的には「電車や車を使わず自転車で通勤する」「自動販売機で物を買わない」「外食をしない(弁当を自分で作る)」「エレベーターを使わない」「野菜や米は自給自足する」などなど。んでもって、そこに見えてきた生活の楽しさ・充実さを語っている。
・・・と紹介すると、ストイックな「べき論」的本かと思われがちだが、そうではない。
著者は連載の早い時点で「楽しめなければ長続きしない」と気づき、ストイックさから離れていく。そこらへんの等身大な感じがいい方に働き、とても良い本になった。後半は「消費社会を超えて」と題し、野田知佑を初めとしたナチュラリスト系(と一括りにするのは大変失礼な面子だが)との対談。いろんな考え方に触れられ、タメになるし、視野が広がる。
この本で展開している論を一言で言うと「現実感とは何か」ということかもしれない。現実感が日々なくなっていっているこの日本で、いかにして現実感を持って生きるか。言葉が固く見出しも固く新聞記者ぽくなりすぎている文章が難と言えば難だが、身の回りの現実感を再度見直し発見してみたくなる良書である。
2002年03月01日(金) 12:00:00・リンク用URL
@satonao310