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LV5「ファッキン ブルー フィルム」

藤森直子著/ヒヨコ舎/1800円

ファッキンブルーフィルム
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著者の個人サイトで毎日つけられていた日記を元に構成された本。
元の日記にはなかった描写も出てくるが(そして元の日記にあった描写が削除されているところもあるが)、基本的には日記そのままのノンフィクション。田口ランディの「アンテナ」はこの著者をモデルにしている。で、この日記の一部を無断使用して盗作判決を出されてた。様々なすれ違いがあったようだが、この本のあとがきは田口ランディが書いておりベタ褒め。発売段階(01年4月)では問題はまだ顕在化してなかったらしい。映画化も進行中でありいろいろ話題の本である。

著者はバイセクシャルでSMの女王様(つまりS)を仕事としている。
読み始めてすぐ、SMクラブに来るノーマルでない客たちの描写に驚愕し引き込まれる。そして著者の彼女や彼氏とのエロい日常を楽しみ、キワモノ的日常を売りにした本と自分の中で位置づける。が、読み進むに従ってそんな低いレベルの本ではないことに気づいていく。そのへんの進行が自然で見事。そのうえ、日記なのにせつなくも美しい結末まで待っている。脚色的に構成したのではないとはいえ、一編のよくできた小説を読み終わった気分。ただものではない。

なにより著者の人間に対する視点が近来になく心地よい。それを意識して演出してないところに震える。素の言葉でここまでやられてしまうと小説家は立場がないだろうな。読後、ちょっとした人間愛に包まれつつ、なんというか「いつ死んでも一緒だな」的刹那感におそわれた。ヒトという個がソコニアルカタマリとして見えてくる。オススメだ。

2002年05月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ノンフィクション , 自伝・評伝

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