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「世界でいちばん受けたい授業」

amazon副題に「足立十一中[よのなか]科」とある。足立区の中学校で行われた「よのなか」科の授業がこの本の中で細部に渡るまで再現されているのだ。
よのなか科といっても、旧来の教育の枠の中で「よのなかの知識」を教えているわけではない。身近な題材と工夫されたカリキュラムと一般社会人の協力を得て、21世紀を生き抜くために必要な5つのチカラ、「ロジック」「コミュニケーション」「シミュレーション」「ロールプレイング」そして「プレゼンテーション」、を身につけさせることを目的とした授業なのである。
最初の授業が特に面白い。「一個のハンバーガーから世界が見える」と題して、生徒それぞれマクドナルドの店長になって出店計画を考えるというロールプレイング。地域性を考え、集客とは何かを理解し、経済の本質を肌で感じながら出店場所をそれぞれが導き出していく。そして、実際に貿易ロールプレイングゲームをしてみることで為替を肌で理解させていく授業がそれに続く。ハンバーガーが一個65円になっていく仕組みが世界経済の中でわかりやすく解きほぐされていくのだ。そして最後には実際にマクドナルドの店長を招いての質疑応答まで…。ね、面白そうでしょ?
まだまだ教育も工夫する余地がいっぱいある、と感じさせられる名授業。生産性を上げる創意工夫には朝も夜もなくがんばる我々だが、教育はなんとなく国の方針に任せきりにしてきた。その受け身な態度を反省させられると同時に、こういう風にすればいいのか、なんとかまだ間に合うのではないか、とも思わせられる希望の書でもある。
2001年12月01日(土) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:教育・環境・福祉
@satonao310