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LV1「まだまだまともな日本」

フロリアン・クルマス著/山下公子訳/文藝春秋/1714円

まだまだまともな日本
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日本って全然ダメ〜!って新聞や本ばかり読んでいるので、たまには「日本も捨てたもんではない」というニュアンスを読みたくて購入。最初に言っておきたいが、256ページの小版本で1714円は暴利と感じる。質的にも量的にも内容的にも新書で700円くらいで出すべき本だ。

ま、それはともかくとして。著者は日本に12年住みドイツに帰ったドイツ人教授。
1999年に「制御不能の日本」という日本を憂う本を出しドイツに帰ったのだが、ドイツに帰ってみたら「日本ってこんなに住みよい国だったのか!」と驚くほどドイツがひどかったのよこれが奥さん! という、要するにそういう本だ。
まえがきにこうある。「日本社会がうまく機能しなくなっており、伝統的美徳も失われかけていると感じていらっしゃる方は、一度ドイツにおいでになるか、あるいは少なくとも本書を読んで、ドイツではどんな有様なのかをごらんになってみていただきたい」。んー、著者が「どこに住んでも文句を言うタイプ」という可能性もあるが、まぁ読んでみるとドイツ社会も確かにかなりひどいな。でも悪い国同士比べあってもどこにも行けないという気も。だいたい「まだまだまともな」って、日本はひどいけどもっと下がいるよってニュアンスでかなり自虐的。原題は全然違うので、訳者と編集者がつけたのだろうが、ヤな題名だ。

日本のイイトコロとして取り上げられている例が、それぞれ検証が薄く、反論がいくらでも出来るのも難点。
そして訳者の問題もあろうが、文章がかなり読みにくいのも難点。それでも我慢して読んでいくと最後に「訳者あとがき」が来るのだが、これがまた著者に冷たい。読後感をとても悪くする訳者あとがきだ。つか、買って損した気にさせるあとがきを訳者が書くのはどうだろう。
日本のイイトコロはもちろんたくさんある。いろいろ自信を失っている我々には一服の玉露的効果を与える本だろう。だが、いろんな意味で1714円の価値はないかも。新書だったらまた違う印象だったかもしれないが。

2003年01月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:時事・政治・国際

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