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「ぼくは静かに揺れ動く」

amazonイギリスで記録的ロングセラーになっている本らしい。
結婚して6年になる妻と子供を置いて出ていこうとする男のたった一日の出来事・回想を書いた本だが、その意識の流れに忠実な構成、ビビッドな文章、共感を呼ぶ正直さが素晴らしい。特に前半。こりゃ名作にぶち当たったのかも、と襟を正し座り直して読み始めたくらいである。
ただ中盤が、その意識の流れを追うという構成上仕方ないことでもあるのだが、かなり冗長。
一行一行繊細な感情が詰まりすぎていて息も出来ない。繊細さの大安売り!という感じがしてくるくらいである。でも結局それを貫いた分、この本は成功しているのだろう。大人版「ライ麦畑でつかまえて」的に。
「馬鹿でよかった」の書評でも書いたが、説明しすぎているのがちょっとうざいかも。何度も何度も気持ちを説明しにかかる。もっと読者を信用してほしいぞ。ちゃんと伝わっているのだから。
原題は「Intimacy」。親密とか情交とかそんな意味。邦題は内容を受けた労訳だと思うが(こういう一文が中にもあるし)、これも説明しすぎの感がちょっとある。
2000年12月01日(金) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:小説(海外)
@satonao310