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「食物語」

amazon副題は「フードストーリー」。
著者の本はずいぶん前に「キャンティ物語」を読んだことがある。とても印象的だった。その著者がいろんなレストランや旅館、バーなどで生きてきた人間くさい人々を書いているノンフィクション。料理人がほとんどであるが、ブリュッセルの豆腐職人や熱海のレストラン兼業医師、沖縄のバーのオーナーなど、変わり種も多い。とても静かで落ち着いたタッチのノンフィクションで、その人の人生がじんわり伝わってくる。
料理人を取材して書いた本はゴマンとあるが、その中でも出色の出来だと思う。必要以上に崇めていないのが気持ちいい。いい距離感なのだ。職人の半生として等身大に描けている。だから泣ける。特殊の才能がある職人ではなく、ひとりの人間の人生として書いてあるからだ。題名が普通すぎるのが難な気もするが、この普通さは狙いかも。そういう本だ。
2002年04月01日(月) 12:00:00・リンク用URL
@satonao310