トップ > おもしろ本 > 著者別一覧 > > 高野和明 >

LV5「13階段」

高野和明著/講談社/1600円

13階段
amazon
今年の江戸川乱歩賞受賞作であるミステリー。
読み出したら止まらない。一気に読んだ。死刑の是非から冤罪、罪と罰の命題まで踏み込んで書いてあり、主題はかなり重い。が、ストーリーはエンターテイメントに満ちており、二重三重のどんでんがえしもよく出来ている。どんでんがえしの演出もわりとさりげなく劇的にしていないところも上手。重い主題に快調な演出テンポ。なかなかだ。

無実と思われる死刑囚を救い出す、報酬は1000万円、乗り出すのは死刑執行経験のある刑務官と仮釈放中の青年、という設定。仮釈放の青年が妙に優秀だったりする違和感も気になるし、たまたま彼が選ばれてしまうご都合主義もアララと思うし、時限型サスペンスなのに時限(死刑)がいつ来るのかわからない弱点があったり、と、欠点はいろいろある。ただ、読んでいてストーリーとは別にふと立ち止まり、死刑とはどういうことなのか、被害者家族のやりきれなさとはこういうことなのか、などと読者をしっかり考えこませるチカラをこの小説は持っている。死刑の描写や刑務官の懊悩が特によく書けているからかもしれない。

冤罪の死刑囚視点の描写がもう少し物語に絡まればよりそこらへんが分厚くなったと思うが、そうなると快調なテンポが損なわれてしまうのかな…。いずれにしろ、オススメのミステリーである。

2001年12月01日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ミステリー

メニュー

Follow satonao310 on Twitter @satonao310

satonao [at] satonao.com
スパム対策を強化しているので、メールが戻ってきちゃう場合があります。その場合は、satonao310 [at] gmail.com へ。

ページの先頭に戻る

Google Sitemaps用XML自動生成ツール