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「蕪村春秋」

amazonここ2カ月間の「寝酒」みたいな本。寝る前に1~3コラムくらい読んで蕪村の世界に浸りつつ眠った。蕪村を、いや俳句自体をほとんど知らなかったボクとしては、この本に非常に感謝している。
もともと朝日新聞で連載していたものらしい。
与謝蕪村の俳句を季語に沿って110コラムに渡り取り上げて(句にしたら375句)エッセイにしたものだ。冒頭、著者はこう語る。「のっけから乱暴なことをいうようだが、世の中には二種類の人間しかいない。蕪村に狂う人と、不幸にして蕪村を知らずに終わってしまう人とである」 つまり、蕪村を知れば必ず蕪村に狂う、ということだ。わかる。実に広大で芳醇な世界がそこに広がっている。それが著者の卓越なる視線によって浮き彫りにされているから、ボクみたいな俳句無知にも実に楽しく蕪村の世界が読み取れ、もう一歩踏み込んで行きたくなるのだ。
いいなぁ、蕪村。芭蕉が想像力のない朴念仁に思えてくるようなその色彩感覚と映像感覚。もちろん著者の誘導もあるのだが。
ちなみにこの本、現代の俳句界に対するすぐれた批評の書にもなっている。
1998年12月01日(火) 12:00:00・リンク用URL
@satonao310