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「ロスト・ジェネレーションの食卓」

amazon「ロスト・ジェネレーション」って良く使う言葉だけどどういう意味かわかっている人はわりと少ない。
調べたら、これは第一次大戦後の若者をさす言葉。正しい礼儀作法を身につけるべき18から25歳に軍隊暮らしをした男をさして、しつけが出来ていない世代という意味でフランスの誰かが言った「ジェネラシオン・ペルデュ」という言葉をヘミングウェイが英語に直訳した、ということらしい。だからそれを「失われた世代」と邦訳するのは二重に間違いを犯していることになる。失われた世代、って訳語は格好いいけどね。でも意味的にはまるで違うニュアンスになってしまった。
副題は「偉大な作家・芸術家たちは何を食べてきたか」。
ヘミングウェイ、フィッツジェラルド、ピカソ、ガートルードなどのロスト・ジェネレーションの有名アーチストたちのエピソードを紹介し、そのエピソードに出てくる料理をくわしいレシピとともに紹介した本である。
全部にレシピがついているのが良い。また訳注も充実していて素晴らしい。例えばシルヴィア・ビーチとジェイムズ・ジョイスが初めて出会った夜の料理のレシピをくわしく読む、それだけでまるでタイムマシンに乗ったようにその夜にボクたちは行けるのである。このリアリティはなんなんだろう。急に親近感がわき、その夜の会話の雰囲気まで眼前に浮かび上がってくるではないか。おもしろいなー。
料理に興味があり、文学にも興味がある方はぜひ読んでみると良い。日本では嵐山光三郎が「文人悪食」を書いているが、あれもくわしいレシピがあったらもっと良かったなぁ。難を言えばこの本、値段が異様に高い。意味もなく巻頭に観光ガイドみたいなカラー写真がついているからもあるだろう。再現した料理の写真ならわかるが、こんな写真は無駄。その分1000円は安くして欲しい。だって360ページほどの普通の本なのに3500円! 許せないでしょ?
2000年10月01日(日) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:食・酒
@satonao310