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「他者の苦痛へのまなざし」

amazon大雑把に言えば、戦争写真論である。
戦争の苦痛と戦争写真によって伝えられる映像の苦痛、その直接性と間接性の差に起因する様々な問題を具体的な写真例を取り上げながら(本書に写真は一枚も載ってないが)論じていく。スーザン・ソンタグの論はチョムスキーなどよりも読みにくいという印象があったボクだが、この本はわりと平易でわかりやすかった。ただし、比較的当たり前な論の展開だなぁと思ったのも事実。ひとつひとつ命題をつぶしていっているあたりは、きっと必要なのだろうけど、一般読者としてはわりと退屈かもしれない。
第五章で指摘されている「アメリカに奴隷制の歴史博物館がないのはなぜか」「写真を見ることでわれわれが攻める権利をもっていると信じている対象は誰なのか」というあたりの論展開、そして第六章の、死体や暴力を受けた肉体、苦痛の映像などが性的興味を喚起するという出発点からの論展開が興味深かった。
というか、この本の秀逸な部分はその題名が大きい。いい題名だなぁ。原題は「Regarding the pain of others」。
2004年01月01日(木) 12:00:00・リンク用URL
@satonao310