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LV4「野ブタ。をプロデュース」

白岩玄著/河出書房新社/1050円

野ブタ。をプロデュース
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2004年度文藝賞受賞作品。芥川賞候補にもなった。
題名が独特なのと、亀梨和也が主演してドラマになったこと(彼と堀北真希の出世作でもある)、役名の修二と彰で「青春アミーゴ」を歌いヒットしたことなどで、知名度は抜群だろう。ボクも読もう読もうと思っていたがようやく読めた。

単純に面白かった。
高校生の物語だが、高校生に限らず若者全体の「ポジショニング命な感覚」「表面的なプロデュースで渡っていく感じ」をここまでリアルにわかりやすく描ききった本は他にあまりないだろう。ポジショニング。プロデュース力。これがすべて。中身も深みもいらないのだ。
そのテーマを、「着ぐるみ」と称して自分を演出する秀逸な主人公・修二に託し、彼に信太(野ブタ)をプロデュースさせることでよりわかりやすく表出させているあたりが舌を巻くくらい上手。さすが。しかも45歳のオッサン(ボクです)ですらとっても共感できるくらい、いくつも入口とヒントを用意してくれている。

というか、高校の話というよりは「日本社会の上手な泳ぎ渡り方」にまで普遍化されたらどうなっていたんだろう、とか考えてしまう。サラリーマンだって「着ぐるみ」を着るし、「ポジショニングを敏感に察知」するし、「自分や部下をプロデュース」して生きている。表面的なのだ。修二の親世代か先生たちを絡めて普遍化させていたらどんな作品になっていたかな…。

ちなみにラストは賛否両論あるらしいが、このリセット感は絶対必要だと思う。ポジショニングに失敗したらあっさりリセットする。それでこそ修二である。

2007年04月25日(水) 16:44:49・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

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