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「『テロリスト』がアメリカを憎む理由」

amazon表題のテロリストに「」をつけた理由についての説明から本が始まる。つまりは彼らをテロリストと位置づけることの不公平さを言っているのである。
それはロイター通信社の国際ニュース責任者の言葉に端的に表されている。「ある人にとっての『テロリスト』は、他の人にとっては『自由の戦士』だ、ということをわれわれはみな知っており、ロイターでは、テロリストという言葉を使わないという原則を崩さないことにした」。素晴らしい言葉だ。こういうことを言うジャーナリストがいるということ自体が救いになる。そして、著者のスタンスもここにある。この本でも便宜上テロリストという言葉は使うが、彼らをそう定義したわけではなく「」付き引用である、ということである。
このスタンスと表題とでこの本の内容はだいたいわかるだろう。アフガン側に偏向することなく、なるべく公平な立場からアフガンや「テロリストたち」の立場を書いてみようという本だ。その過程でイスラエル建国に端を発するパレスチナ問題もわかりやすく総括してあり、西側の(特にアメリカの)すさまじいエゴが目の前に明らかにされていく。つうか、やっぱ西側の人々は心の底ではアラブ・アジア人を「人間」と認めていないな。
アメリカがいままで世界各地で行ってきた行為は間違いなく「テロ」である。
アメリカは世界最大のテロ国家なのだ。その辺の言及が個人的にはいささか物足りないが、アメリカ偏重の報道が多い中、こういう本は知のコレステロール・バランスを保たせてくれる美味しいサラダみたいなもの。興味ある方にはおすすめだ。
2001年12月01日(土) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:時事・政治・国際
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