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LV5「停電の夜に」

ジュンパ・ラヒリ著/小川高義訳/新潮クレストブックス/1900円

停電の夜に
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山本夏彦は向田邦子を評して「向田邦子は、突然現れてほとんど名人である」と言ったが、このジュンパ・ラヒリというNYC在住のベンガル人女性はまさにそんな感じである。この本がデビュー短編集なのだが、いきなり「ほとんど名人」なのである。一読びっくり。再読ほっこり。このデビュー作で2000年度ピュリツァー賞、O・ヘンリー賞、ニューヨーカー新人賞などを総なめしたのも理解できる。うーん、スゴイ…。

静かな語り口。無駄のないフォルム。全体に独特の距離感のある描き方で、それは主人公に対しても同じ。短編の最後の方で、ふっと主人公からの距離を遠くに見せる感じが絶妙(映像で言ったら最後にすっと程良く引く感じ)。うーん。物語の収め方がいいなぁ。好きなタイプのエンディング。
どの短編もとっても良かったが、特に印象に残っているのは「本物の門番」「病気の通訳」「ピルザダさんが食事に来たころ」。なんとなく彼らの世界観が読んでずいぶんたったいまでも心の中に巣くっているという意味で印象に残っている。でも全部いい。今年のベスト1かもしれない。オススメ。

2001年01月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(海外)

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