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「テレビジョン」

amazon著者5年ぶりの新作。
「浴室」「ムッシュー」以来の文体はそのままに今回は著者にしてはかなりの長編となった。
ある日テレビを見るのをやめたある男の物語であるが、テレビをやめることで逆にテレビという概念に縛られていく様が面白い。テレビがあるからテレビを消したときの安息があるのであり、テレビをなくすと逆に安息がどんどん奪われはじめるのだ。
この本はテレビをはじめとする「受け身媒体」と現代人との関わり方を現代の生活の中で丁寧に描きこんでおり、その丁寧さが読者を退屈させることを除けばなかなかの傑作である。特徴的な垂れ流し文体も主題とよくあっていたが、ちょっと読みづらいのが難。著者を好きな人にはたまらない本かもしれないけど。
1998年05月01日(金) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:小説(海外)
@satonao310