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「面目ないが」

amazon毎日新聞に連載していたコラムを中心に編まれたエッセイ集。
毎日新聞のはリアルタイムで読んでおり、また、著者の短歌自体は折に触れ目にしていたので、どことなく懐かしい気持ちで読んだ。山本夏彦のエッセイで彼のこの本(単行本当時)が取り上げられベタ褒めされたりしていたのが個人的には印象的であるが、これを読むと、公私ともに山本に師事していたようではある。そう思って読むと、確かに文体が非常に似ており(特に連載初期などあからさまに似ており)、ちょっと微笑ましかったりする。
著者独特の自己憐憫と自己悪口が鼻につく読者もいるかもしれない。自分の情けなさをネタにして歌を詠む著者の視線はエッセイでも同じように働いており、結果として常に自分しか見ていない独特のエッセイ世界が出来上がっている。そこが売りでも味でもあるので仕方がないのである。
と、こう書くと批判しているように読めるかもしれないが、さにあらず。なぜか大変気持ちよく読めたので喜んでいるのである。悪意を持たれぬ筆の運びは、突然出てきてすでに名人の域である。さすがなものだ。
ちなみに著者のエッセイより著者の短歌の方がボクは好きである。
2001年12月01日(土) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:エッセイ
@satonao310