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「私は臓器を提供しない」

amazon「ドナーカードに承諾のサインをしなかったら、それは人道にかなわないことになるのか」というテーマのもと、「私は臓器を提供しない」という立場をとる執筆者が集まり、それぞれの論を展開し、読者が自分の立場を選択するための材料提供をしてくれている新書。
企画とてもよし。執筆者まぁまぁよし。ヒューマニズムという美名のもと「なんとなくいいこと」と思われ押し進められている「臓器提供」をもう一度考え直すきっかけになる。
が、どうも読後感が散漫だ。もちろん複数執筆者が好き勝手自分の意見を書いているだけなのだから散漫になるのは仕方がないし、いろんな切り口でこの問題を切っていこうという編集方針も正しい。ただ、ことは「死とはなにか」という根本的問題にぶちあたらざるをえないため、それぞれの執筆者の死生観が中途半端な枚数で中途半端に語られてしまう。それがこの本をとても居心地の悪いものにしている。もうちょっと執筆者の数を絞って(10人書いている)、じっくり書かせてみてもよかったのではないだろうか。
個人的には橋本克彦による論の展開が一番しっくり来た。そう、そうなのだ。肉体にも自我は宿っているのである。うん。
2000年05月01日(月) 12:00:00・リンク用URL
@satonao310