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「ワルボロ」

amazon立川の町を舞台にワルでボロな不良中学時代を描いた自伝的小説。
500ページ弱の大部ながら飽きさせずに一気にラストまで。素晴らしい。
この道の先駆者(?)中場利一的な題材なのだが、中場利一よりもリアルな焦燥感と暴力描写で描いていく。全体的にリアルなんだよなぁ。「ケンカに強い人」がいろいろ出てきて、彼らの描写はさすがにオーバー気味なのだけど、この程度のデフォルメがないと面白くならないだろう。中場利一に比べると笑いの部分が少ないけど、これで笑いが多いと「岸和田愚連隊」になってしまうし、笑いでは中場利一に勝てないだろうからちょうどいいかもしれない。
友情と恋を底流テーマにして、中学抗争をスピード感よく描いていく。リズムもよい。キャラ立ちもよい。印象的な山場の持ってき方もよい。ついでに題名のセンスもよい。全体にとても良かった。特にこの本を単なる暴力モノと違うモノにしているのはその友情の描き方。本当の友達とはどういうものかをしっかり描ききっているのがとても好感が持て、感動を呼ぶ。不良でない読者の共感を強く呼ぶのはこの点だろう。
唯一の不満はラストの収め方。あと50ページくらい書き込んで欲しかったなぁ。続編を匂わしているが、それはそれとして、きっちり締めて欲しかった。そうであれば傑作だったかも。
2005年10月01日(土) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:小説(日本)
@satonao310