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LV5「落語的生活ことはじめ」

くまざわあかね著/平凡社/1400円

落語的生活ことはじめ―大阪下町・昭和十年体験記
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副題は「大阪下町・昭和十年体験記」。
著者は落語の台本を書く仕事をしている。で、「台本書いていてカンテキや火鉢、箱膳などの道具の細かい点がよくわからない。他の小道具でも使ってみてはじめてわかる発見があるのではないか…。それじゃぁ落語的な古い生活をしてみようではないか!」と思ったがこの本のキッカケ。

具体的には(江戸時代的生活はさすがに無理なので)昭和十年と設定。
冷蔵庫なしテレビなし電話なし。電球は40ワット。昼は着物。寝るときゃ浴衣。銭湯使って足りない物はご近所や大家さんに助けてもらう。ご飯は羽釜、おかずはカンテキ(七輪)で作る。机の横には火鉢があって、かけてあるヤカンからは常に湯気がシューシュー……それを一ヶ月やってみようというのだ。すばらしい。そういう発想大好き。で、そういう発想をするヒトだもの、本も当然おもしろい。日記風のルポになっていて一緒に昭和十年に生活しているようである。厳しく言うと、終わり方が中途半端なのと、どうせなら最低半年、そして厳冬も体験してほしかったと思うのだが、読者のわがままだな。充分おもしろいし、自分でもやってみたくなる。

たった65年前、日本人はみなそういう生活をしていたのだが、 いまそれをしようと思うとぶち当たる壁が非常に多いのもよくわかる。死語かつ死道具のいかに多いことか。日本が過去の豊かな価値観をいかに惜しげもなく捨ててきたかをわかると同時に真の豊かさとは何かを考えるキッカケになる。はやりのスローライフ的読み物としても秀逸。オススメ。

2003年02月01日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , アート・舞台 , 雑学・その他

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