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「グロテスク」

amazon「OUT」を超えた!という書評があったくらいなので、ホントにそうなら読まざるを得ないのだが、結果的にはボクは「OUT」「柔らかな頬」の方が断然好き。
というか、ひょっとしたら女性が読んだら印象違うのかもしれない。そのくらい今回は女性生理がストーリーに絡んでいる。
実際、何人かの女性友達が読んで「とても良かった」と言っていた。でも、オトコであるボクは最後まで「ふーん。でもさぁ…」という感じで乗り切れず、グロテスク&モンスター的視点から見ても、オトコのモンスターは(他の著者が作りだしたものを含めて)現実にも山ほどいるわけで、なんだか最後まで「それがどうした感」がつきまとってしまった。
全編、ある意味女性のグロな部分をこれでもかと描写している。それもそれぞれの登場女性の主観で描写しているので、つじつまが合ってなかったりハテナがあったりするのだが、それは演出のうち。そこらへんはとてもよく出来ているし、特に女学生時代の描写など迫真。ただし、後半の和枝の日記が主観ではなく、妙に小説になってしまってたのが惜しい。周辺描写など彼女がするわけないだろう。そこらへんにリアリティがあったらまた少し印象違ったかもしれない。
筆力はさすがなもの。会話や人物描写も実に自然。だが、下敷きにしたという東電OL殺人事件の詳細を読むと(たとえばココで)ほとんど後半のストーリーはまんまなのだなとわかる。著者なりに違う持って行き方はなかったのだろうか。
2003年08月01日(金) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:ミステリー
@satonao310