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LV1「玉蘭」

桐野夏生著/朝日新聞社/1800円

玉蘭
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うーむ。1999年~2000年と、著者が1999年に「柔らかな頬」で直木賞を取った頃に書かれた作品だから、ある意味脂の乗り切った時期のものであると思うし、ある意味めちゃ落ち着かなかった時期のものでもあると思う。つうか、この出来からすると、後者かも。物語は収束を欠き、カタルシスは中途に終わり、結末もちょっと凡庸。

なんというか、こういう甘美なお涙系(と位置づけてしまう気はないがなんとなく)は浅田次郎の方が適任な気がする。
桐野夏生は物事をウェットに捉えるより、キリリと締まったドライな捉え方の方が似合っているし力を発揮すると思う。思えば舞台の上海の描き方に一瞬その光芒が見えるが、ドキドキしたのはそこだけかも。過去と現在の切り返しももっと短くカッティングしていけば独特のドライな雰囲気になった気がするが、半端な切り方になってしまったため、ボクには冗長な後味が残ってしまった。
直木賞を取っても、新しいものを目指す心意気は素晴らしい。けど、こっちではないと思うなぁ。次作に期待。

2001年06月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

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