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「被差別部落の青春」

amazonある仕事のきっかけがあって同和問題についてかなり考える時間を持ったのだが、その流れで読んだ本。
仕事の中でたくさんの被差別部落出身者と出会ったが、みな陽気でいい人ばかりである。彼らと話しているとまるで暗くはない。でもいざ世の中に向けて発信されるとなぜか暗いものとなる。その理由もいきさつもすべてわかった上で言うが、この本のような身の丈レベルの話がもっともっと前面に出てくればなにかが確実に変わるとは思う。そういうきっかけにはなる本だ。
ただ、少し残念なのは行間にまだ重苦しさが感じられること。無闇に明るく書けと言っているのではないが、事例取材などの語り口が淡々としていて、著者(被差別部落出身者)の思考の健康さが活かされ切っていないところがある。なにか重いものに引きずられていく感じが中半から後半にかけて漂った。惜しい。
被差別部落、という単語がまず重いよなぁ。なんというか、「誇り高き陽気なマイノリティ」的括り方はないものだろうか。過去の歴史から言っても無責任なことは言えないのだけど…。これからもいろいろ考え続けていきたい課題である。
2000年04月01日(土) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:ノンフィクション
@satonao310