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LV3「ファストフードが世界を食いつくす」

エリック・シュローサー著/楡井浩一訳/草思社/1600円

ファストフードが世界を食いつくす
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アメリカでベストセラーになった本である。
マクドナルドに代表されるアメリカの巨大ファストフードチェーン産業が目指す「世界中同じ味」「安価であるための効率至上主義」の経営方針が、伝統的な食文化や多用な農業形態を壊し、食の工業化を招き、産業構造自体を破壊し、他国の文化をも破壊していく過程をじっくりと描いて、読者に戦慄を与える本だ。

マクドナルドやケンタッキーがいかに生まれいかに大きくなったかの伝記的部分はわりと面白い。
そしてそれが目指す効率主義のため、食が工業化されていく実態、食肉処理場の劣悪かつ不衛生な現状、人間の労働環境を根底から変えるシステムの是非、フライドポテトに使われる天然香料のウソなどが、どんどん白日の下に晒されていく。そして、ファストフードが安価であることのカラクリも見えてくる。見た目は安価だが(だって65円だもん)、肥満解消にかかる費用や医療費、廃棄物が川や海を汚し牧場が森林をなくしていくことによる環境破壊による負の費用など、社会が負担するコストの高さも明らかにしてくれる。

問題意識を喚起するという意味においてこの本は素晴らしい。ただ、後半、問題点が分散してしまい、印象が散漫になってしまった。導入はいいのに詰めが甘い。題材はいいのに収束点がぼやけている。話題性十分なのにイイタイコトが伝えきれていない。せっかくいい本なのに~と地団駄踏みたくなる。また、巨大ファストフード産業がやったイイトコロももっときっちり評価して、そのうえで冷静に結論を導いて欲しかった。と、いろいろ惜しい本だけど、興味がある方にはとっても面白いと思う。

2001年12月01日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ノンフィクション , 食・酒 , 時事・政治・国際 , 健康

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