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「いったい、この国はどうなってしまったのか!」

amazon憂国の書というより憂マスコミの書である。
だから題名はストレートに「いったい、この国のマスコミはどうなってしまったのか!」の方がキャッチーだし扇情的だしずっと内容に近いと思う。もちろん国民や国の政策も憂えているのだが、それらの原因をメディア報道としている部分が多く、マスコミの功罪という切り口でまとめてしまった方がずっとわかりやすく読者の胸にささると思うのだ。そして、マスコミに従事する人々に直接届くメッセージになったはずなのである。題名で一般化してしまったのがちょっと悔やまれる。
著者はふたりとも元マスコミ記者で現フリージャーナリスト。だからこそ同業の裏がわかり、偽善に満ちたマスコミ報道を厳しく指弾し、同業なら見えているはずの重要問題点を看過する彼らを憂うことができる。ただ、憂えた先に、大いなる諦めと絶望しか見えないのが気に入らない。がんばらなきゃ、と自分を励ましつつ、その奥に自己憐憫的諦観が読者に見えてしまう。だからとてもイイコトを伝えてくれているのに、読者も一緒になって虚無感に苛まれ、大いなる諦観に酔っていってしまう。刺激的な本だからぜひいろんなヒトに読んでもらいたいと思うが、嘆くだけで終わっているように読後思えてしまうのがただただ惜しい。
2003年10月01日(水) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:時事・政治・国際
@satonao310