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「二列目の人生 隠れた異才たち」

amazon一列目の人生が超有名人の人生だとすれば、この本は二列目、つまり歴史に埋もれた無名の異才・天才の人生を16人取り上げて、短くまとめたものである。
たとえば南方熊楠や牧野富太郎の陰でまるで忘れ去られた市井の植物学者大上宇市をはじめ、島成園、モラエス、中谷巳次郎、西川義方、高頭式、秦豊吉などなど16人。地元でも忘れ去られた彼らに光をあて、丹念に淡々と書いてある労作だ。
もともと無名な素材ゆえ、ドラマにも事件にも乏しいので物語にしにくい部分があったのだろう。かなり淡々。だから、面白いかと言われると「うーむ」である。ただ、妙にせつなくなるし、妙に奮い立ちたくもなる。ある意味「プロジェクトX」を観た後のような感じに近いか。二列目の人生とはつまり「地上の星」なのだ。日本人のありがちな心情から考えると、ウソでも感動物語を作って浪花節的に泣かせて欲しいところであるが、それをあくまでも淡々淡々と書いたところがこの本の魅力でもあり欠点でもある。
2003年07月01日(火) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:自伝・評伝
@satonao310