トップ > おもしろ本 > 著者別一覧 > い > 池田清彦 >
「虫の目で人の世を見る」

amazon副題が「構造主義生物学外伝」。難しそうだし題名的にも哲学的だが、内容は全然そんなことはない。
以前「昆虫のパンセ」という著者の本を読んだことがあるが(いま再読中)、この本はその時の印象よりかなり軽妙。非常に程のよいエッセイ集になっている。いいなぁ、こういう感じのエッセイ。新しい視点・経験を与えてくれつつ、お気楽・適当に読み飛ばせる。そして読後には世の中が読む前よりほんの少しだけ豊かに見えてくる…。簡単そうに見えて、こういうエッセイは実は難しいのである。
で、さりげなく「イイタイコト」を混ぜ込んである。「客観は普遍ならず。主観の中にこそ普遍はある」…。なるほど。確かに虫やら猫やらに人間の客観(例えば科学・数学)は通じない。つまり客観が普遍だというのは人間の大いなる傲慢なのであるか。なるほどなるほど。
虫屋という言葉があるのは知っていたが、それにしてもすごい世界だなぁ。その昔(小学生低学年)、昆虫博士と友達から呼ばれていたボクであるが(ホント)、あの世界を年寄りになるまで引きずって歩いている人がいっぱいいるのだねぇ。はっきり言って素晴らしいと感嘆しつつ読み進んだのでありました。なお、終盤は河童の話になるが、これは洒落っぽくクソ真面目に書いてある。
2000年07月01日(土) 12:00:00・リンク用URL
@satonao310