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LV3「目撃 アメリカ崩壊」

青木冨貴子著/文春新書/680円

目撃 アメリカ崩壊
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9.11をワールドトレードセンタービルからたった13ブロック北のアパートで体験した著者による、迫真のレポート。

ピート・ハミル氏の奥さんでもある彼女の記事は冷静かつクレバーでわりと信頼しているが、このレポートも冷静な良さを残しつつ、実体験した人でないと書けない迫力に満ちていて貴重だ。
特にビル崩壊の現場での記述は力がある。思わず阪神大震災を体験した記憶が蘇ってくる。そして現場にいたからこその様々な怒りも蘇る。冷静な自分と怒りに身を任せている自分・・・大災害現場にいた人のそんな複雑な心境が著者にも見え、共感は強かった。著者自身のアフガンに対するフェアな視点や、たったひとりアフガン空爆に反対したバーバラ・リー議員に対する賞賛などのジャーナリスト的視点に、本能的怒りと恐怖が混じってくる微妙なニュアンス。

ただ、スーザン・ソンタグやノーム・チョムスキーがテロ直後に出した声明のような、圧倒的に冷徹な視点が欲しかったと思うのは贅沢か。アメリカという強大国に住む日本人トップジャーナリストのひとりとしての独自のスタンスを求めるのは贅沢か。感情に左右されたりウェットになったりすることなく冷徹に現場を見る視点がもっと欲しいと思うのは贅沢か。迫真のレポートだけで終わらず、一歩も二歩も踏み込んで欲しかったという贅沢な思いをこの本には持っている。

2002年04月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ノンフィクション , 時事・政治・国際

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