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LV5「最上階の殺人」

アントニイ・バークリー著/大澤晶訳/新潮社/2000円

最上階の殺人
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1931年にイギリスで発表された作品だけど、日本では去年の8月初版。近年の海外古典発掘ブームで掘り出されたもの。
著者は名探偵ロジャー・シェリンガムのシリーズで当時かなり有名な推理作家だったらしい。これはそのシリーズの第7作目にあたる。アガサ・クリスティが1920年デビューだからほぼ同年代に活躍した作家ですね。

70年も前の作品とはいえ、それを知らずに読んだボクとしては古さをほとんど感じなかった。当然行われるべき科学捜査が行われないので不思議に思い、やっと古い作品であることに気づいた始末。つまり、トリックはともかく、文章や設定、キャラの立ち方、洒落た会話に至るまで、現代にも通じる魅力がこの作品には溢れているということだ。のんびりした世相は感じられるものの、違和感はあまりない。
また、名探偵といいながら実に普通の知能の持ち主である主人公がいろいろ悩みながら推理していくのが活写されてて面白い。読者は彼と一緒に悩み煮詰まりたどり着き、そして恥をかく。うん、オーソドクスだけど楽しめる。また、脇役も魅力溢れている。特に秘書として雇ったステラは抜群のキャラ。わりと普通っぽい推理小説であるこの物語を一気に魅力的にしている。

今月の1番目に薦めるほどか、と言われると少し迷うが、かなり楽しめたのは確か。著者の他の作品も翻訳されるのが待たれる。

2002年04月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ミステリー

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