ここんとこ数週間の不思議なふわふわ感

2014年2月26日(水) 12:36:11

ここんとこ数週間、不思議なふわふわ感に包まれている。
深くしつこい「落ち込み」とも取れるし、感謝と諦観の「落ち着き」とも取れるような、いままでにない浮遊感。毎日がふわふわしてる。

ある人との「別れ」が迫っている。ここ数週間、急に病が進行した。
約2年、彼の病を身近に見てきてじわりじわり自分が変化しているのは感じてたんだけど、ここんとこの急な進行で、ボク自身の変化も急に進んだようだ。

彼との「別れ」はある程度予期できたことだし、覚悟もできていた。その人に限らず、人生は「死」で満ちているし、ボク自身、若い時からずっと、毎朝のように「死」を考え、準備をしている。

というか、オフィスが葬儀場の真ん前なので、オフィスに行くたびに「死」を思う。今日死んでもいいように生きようと再確認する。小鳥さん、今日なのかな?

だから、単なる「落ち込み」ではないんだろうな。
なんというか、「そのうち消えてなくなってしまう自分」との折り合い具合が、彼の姿を見ているうちに、かなり変化した感じ。

それまでの折り合いは、「死の瞬間まで善く生きよう、ちゃんと生きよう」と、緊張感と切迫感に満ちた「活力」で身のうちがいっぱいになっている、そんな具合。

それが、なんか変わった。
その「活力」のとげとげピチピチした塊が、緊張感と切迫感を失い、ふんわり丸くやわらかになった感じ。そんな肩肘はるなよ、そこまでの問題じゃないよ、と、もうひとりの自分が生暖かく見てる感じ。

同年代であるその人の病が進行する姿を静かに見つめながら、「オレは何でそんな堅い殻で活力を守っているのだろう」と考えた。何の緊張感&切迫感、何の欲求なのだろう、と考えた。その源泉を突き詰めて考えた。その、思考の過程のどこかの瞬間に、中から何かがやわらかく流れ出してしまった。

それ以来、「落ち込み」とも「落ち着き」とも取れる、不思議なふわふわ感に包まれている・・・いや、ちょっと違うな、「いい加減」とも「肩の力が抜けた」とも取れるふわふわ感かな。

最初は鬱かと思った。
でも、どうも違う。景色は逆に輝いて見える。

たとえば、世の中のいろんなことに「怒り」と「問題意識」をもっていたのに、それがとてもやわらかい感情になってきた。

いろんなことを「ありがたいな」と、普通に思う。
そのありがたさに感謝しつつ、丁寧にやわらかく、そしていい意味での諦めと無常観をもって、気楽に生きる方向になってきている。

いままで頑なに「こうあるべきだ」と守ってきたことも、もっと俯瞰して、長期的目線で見られるようになったかな。「ま、たいしたことないか」と楽に考えられるようにもなった。

無意識にいろんな重いものを脱ぎだしたのかもしれない。

そういえば、その人は、病を得てから「いろいろ背負ってるものを脱いじゃえばいいんだよ。そんなものたいしたことないんだよ。エンジョイすればいいんだよ。ようやくそう思えるようになった」と言っていたっけ。。。

これは退歩ではなく、進歩なのだろう。その人の言う意味では。
いや・・・単なるジジイ化かもしれないが(笑)

あ、誤解なきよう。
何かのやる気をなくしたとか、投げやりになったとか、そういう表面的な話ではありません。逆に丁寧/堅実になってきているくらいで。

まぁ春の訪れとともに、また心境は変化するかもしれないのだけれども。


さて。
今晩は、8年ぶりのローリング・ストーンズ・ライブ。

この「ふんわり丸くやわらかくなった塊」が、ロックジジイたちの「とげとげピチピチした活力」に触れてどういう化学反応をするのか、見方や楽しみ方が何か変わるのか、いろいろと(自分の内部変化が)ちょっと楽しみ。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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