">

自分時間、他人時間、というパーツ

2013年4月19日(金) 8:56:10

サイトを始めて18年弱。
ブログ的なものを更新するようになって12年弱。

わりと長い年月、毎日毎日欠かさず更新してきたのだけど、ここ数ヶ月、更新がポツリポツリになってきた。

みなさんから見たら「それがどうした」ってことかもしれないけど、自分的には大きな「事件」。ボクがブログ更新を怠るようになるとはなぁ・・・。

まぁ精神的に厳しかった去年秋までとはずいぶん違って、いまはとても穏やかな日々ではあるのだけど、それにしても書けない。本も書けない。ブログも書けない。執筆的に極度のスランプ。スランプなんて言葉は一流の人が使うのだろうけど、なんか他に言葉が見つからない。毎朝あんなにスラスラ書けていたブログも、ノレば一気に進んでいた本の執筆も、いまでは書こうとすると指が止まる。うーんうーんとモニター前で脂汗を流してる。

去年の夏くらいから本の執筆を4冊(あやふやな約束も含めると6冊)引き受けてしまったことも大きいとは思う。圧倒的な分量を前にして途方に暮れているのは確か。でも、だからってブログまで書けなくなるのはちょっと違う。

うーん、どうも「独立」と関係している気がするな。

なんというか、仕事と両立しつつ執筆(ブログ含む)を進めるのが、サラリーマン時代よりずっと辛いのである。

たぶん、時間の区切りの問題。
サラリーマン時代は意識せずに「会社で他人に使われている時間(たとえば9時5時)」を頭の中で区切り、それ以外の「自分の意志で使える時間」をさっと計算して執筆時間をひねり出していた。区切りがあったので、それ以外の時間の能率アップを命題にしていた。

オンとオフをまったく分けずに生きてはいたのだけど、でも、たぶん無意識に一日を「自分時間」「他人時間」「就寝時間」とかってパーツに分けていたのだと思う。そのパーツの中で最大に能率を上げる、という短期目標達成的発想になっていたんだな、きっと。

だから、出社する前の早朝にものすごい勢いでブログと本を書いていた。自分の意志で使える時間は限られているから。

5時に起きて、ブログは平均20分ほど。あとは2時間くらいを本に当て、メールの返事と仕事の準備を少し。それ以外に犬の散歩やら朝食やらを済ませて9時台に家を出ていた。

その習慣が、独立して自分の意志で24時間使えるようになった途端、崩れた。

「他人時間」(会社で他人に使われている時間)という大きなパーツがなくなり、全部が「自分の意志で使える時間」に変わった。そうなることで、なんか一日が「あやふやな一塊(ひとかたまり)」になってしまった。パーツごとの短期目標がなくなり、時間に追い立てられることも減った。イイコトっぽく聞こえるけど、能率はありえないくらい落ちる。

なんつうか、マラソンを例に取ると、42.195キロ先のゴールに向かって「何分で走ろう!」とか意志強く設定するのってほぼ無理で、10キロとか20キロというパーツごとに自分のタイムを設定して、その短期目標達成を繰り返すことでゴール目標達成が成し遂げられる、みたいな、そんなのがやっぱり必要なんだよなー。

ありがたいことに予定は毎日満載だ。
でも、それらの予定をこなすと「なんとなく」一日が終わる。就寝前にふと気がつくとブログも本も書いていない。そんな感じ。そのうち、だんだん書こうと思っても書けなくなってきた。書く方に気分をうまく持って行くことができなくなってきた。独立後なんとか1年半ほど更新は続けていたけど、そうなってくるとなかなか厳しくなってきた。

これ、どうやって解決するかな。
独立して一日自由にやっている人たちはどうやっているのだろう。

去年の秋にオフィスを作った。
作った当初は、ある程度「定時」を決めて(つまりパーツを作って)、メリハリを作ろうと思った。でもね、定時を作ってもね、結局すべて「自分の意志で使える時間」なわけで、決められた時間内でやらなくては、という追い立てられ感はほとんどない。だって、自分の意志で先延ばしできるんだもんw もちろん仕事に〆切はあるけど、それぞれにテンポラリーなものだから習慣化は難しい。

あー、会社を引退した人が(いろいろ焦りながらも結果的に)ぼんやり年月を過ごしちゃうのって、意外とこんな感覚かもなぁ、と、ちょっと思った。

ま、とりえず、毎朝書く習慣を取り戻す努力をしてみることにする。
たとえば、毎朝9時にジムのトレーナーの予約を入れる、みたいな「他人時間」(トレーナーという他人との約束という定期的時間)を作ることが必要なのかも。

書きたいネタは(会社勤めのころに比べて)大幅に増えている。本の〆切も次々来る。うん、「他人時間」も含めた習慣づくりからもう一度!

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

アーカイブ

同カテゴリーの他記事